フリーズ! 頭の中が真っ白になった時、自衛隊員が最速で回復させる方法

■基本は追い詰められる前に手を打つ

 また、そもそも追い詰められる前に対処することがより重要です。

 たとえば、爆発寸前の爆弾を渡されても、対処の方法は限られてしまいます。せいぜい、爆弾からできる限り離れるか、人のいないところへ投げるかぐらいです。このように、どうしようもない状態になってからでは、どんなに優秀なリーダーであっても緊急避難的な対応しかできません。

 時間的な余裕と間合いがなくなればなくなるほど、選択肢もなくなっていくので、時間的に余裕があり、危険と離隔している段階で、未然に防ぐための対策を講じることが重要なのです。戦闘では、頭の中が真っ白になったからどうしようもなかったでは済まされません。事前の予防措置、発生後の対応要領を日頃から身に付けておくことが重要となります。

 また、いざという時に備えて、自分だけに効く特定の行動、いわゆる癖(スイッチ)を訓練しておくのも手です。「深呼吸をして落ち着く」というように深呼吸という行動と心理変化を普段から練習してリンクさせておけば、追い詰められた時にも自分で回復のスイッチを入れられるようになります。


二見 龍(ふたみ りゅう)
1957(昭和32)年東京生まれ。防衛大学校卒業。陸上自衛隊第8師団司令部3部長、第40普通科連隊長、中央即応集団司令部幕僚長、東部方面混成団長などを歴任し陸将補で退官。防災士として自治体、一般企業で危機管理を行う。著書に『自衛隊式セルフコントロール』、『自衛隊最強の部隊へ』シリーズ、『弾丸が変える現代の戦い方』、『自衛隊は市街戦を戦えるか』、『特殊部隊 vs. 精鋭部隊』などがある。近著の『自衛隊式セルフコントロール』はすぐに実践できる自衛隊のノウハウが満載

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