バイクにも水素!? カワサキが目論む内燃機関のミライ


AIが予測する? 知能型の可変モビルスーツ登場か

 さらに、驚きの“機能”も示唆している。
 会見では、商品力を強化するため、バイクに「コネクティッド、AI、レーダー等の先進技術」を盛り込むと紹介し、PVが流された。その中にナント「可変バイク」の姿があったのだ。

 そのバイクとは、2013年の東京モーターショーでカワサキが発表したコンセプトモデルの完全電動バイク「J」。前2輪+後1輪を備え、2輪的な配置の時はスポーティな“アタック”に、3輪的配置の時はリラックスした乗車姿勢の“アップライト”に変形する。

PVに登場したピュア電動コンセプトの「J」。2輪形態+前傾姿勢の“アタック”モードの状態で、太陽光パネルが並んだ区画を颯爽と走り抜けた
こちらが2013年発表時のJ。アタックモードは前2輪の間隔が狭まり、ハンドルとシートもダウンする。“電動三輪バイク”登場の可能性もある!?
同じバイクに見えない? Jのアップライトモード。より3輪バイクらしい形態で、上体が起きたライディングポジションとなる

 さらに2017年の東モで当時のプレジデントが、“AI(人工知能)がJの変形を判断する”ことを明らかにした。ライダーの心や身体のコンディションを感じ取り、同時に天候や路面、交通状況などを読み取って、最適なライディングポジションに変形するという。2016年、カワサキは「AIを活用したモーターサイクルの開発に着手」したことを発表したが、今回改めて表明したことにより水面下で研究を続けているのは確実だろう。

 それにしても4年越しに、またも「J」が登場するとは筆者も思いもしなかった。カワサキの「可変バイク」へのこだわりは相当なものと見える。

 実は、このJが初披露される10年前にもカワサキは変形バイクのコンセプトモデルを提案していた。2003年の東モで出展した「ZZR-X」は、ハイスピードツーリングモード、ツーリングモード、スポーツモードの3形態に変形するメカを備えていたのだ。

カワサキは2003年の東モでも可変バイクのZZR-Xを公開。スクリーンや整流板、ライディングポジションがモードに応じて変形する

 妄想の域に近いかもしれないが……カワサキが描く未来のシンボルとして「可変型の電動バイク」を近い将来、市販化するのではないだろうか? もちろん実現すれば可変バイクは世界初の試み。エンジンや電動といったカテゴリーを超越して大評判になるのは間違いないが……果たして!?

ガソリンエンジンに近い、夢の水素エンジンも研究中!

 さらにカワサキは「水素エンジン」も研究中だ。

 水素エンジンとは、ガソリンエンジンの燃料供給系や噴射系を変更し、水素を燃焼させることで動力を発生させるもの。ほぼCO2をゼロとしながら、サウンドも従来のガソリンエンジン並みで、「エンジン」を残せる手段として注目を集める。トヨタが水素エンジンのカローラでレースをしていることでも有名だ。

 会見では「バッテリーEVのみならず、高効率エンジンとモーターの複合技術に、水素からつくるeフューエルやバイオ燃料を組み合わせることでカーボンニュートラルを図っていまいります」と発言。

 カワサキが得意な大型バイクをBEVで実現するとなれば、車重はとてつもなくヘビーになる。そこで、重量面ではガソリンエンジンと大きく変わらない水素エンジンが候補に挙がっているのだ。

H2をベースに研究中の水素エンジン。ヘッドカバーからシリンダー背面に直噴用の燃料ラインが伸びる。通常のインジェクター下側に、直噴用のインジェクターを配置

 「大型バイクのカーボンニュートラルに(水素は)非常に有効な手段だと考えている」と伊藤社長。このH2のエンジンを活用した研究を、川崎重工技術開発本部、水素戦略本部とともに継続していくという。

 会場では、水素エンジンの研究モデルが初公開され、現行ニンジャH2の998cc直4スーパーチャージドエンジンに直噴ユニットを追加していた。

 現状の水素エンジンは、まだまだ航続距離などに課題があり、巨大な水素タンクを搭載しても数kmで補給が必要。EVのさらに先の技術だが、エンジンを活かす技術として実に夢がある。

直噴用インジェクターノズルの配置はこのようになっている。水素エンジンでは直噴が必須の技術となるので、その研究を進めている

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