■カーボンフリー時代でもランクルは不滅か?
カーボンニュートラルが叫ばれる今の時代、「耐久性と信頼性を考え、今回のランクル300では敢えて電動化を見送りました」というのはかなり勇気のいる決断だ。
先鋭化した環境運動家あたりから、「トヨタはCO2削減に後ろ向きなのでは?」とか、あらぬ因縁をつけられる可能性だってある。おそらくトヨタ内部でも葛藤があったはずだ。
この決断を後押ししたのは、世界170カ国、累計1000万台のランクルユーザーの存在だと思う。
今でこそ、プレミアムSUVとして押しも押されもせぬブランドだが、その本質は馬車馬のように働く実用車。
歴代ランクルは意図的にプレミアム化を狙ったわけではなく、ワークホースとしての信頼性/耐久性を徹底的に追求してきた結果、自然に生まれたのがランクルのブランドステイタス。これを裏切ったらランクルではなくなってしまう。
だから、電動化も慎重に進めることが求められる。ハイブリッドの本家たるトヨタだから、ランクルに搭載しても信頼性や耐久性は間違いないが、新興国では、メンテナンス面で不安もあり、壊れた時でも応急修理で帰ってこられるか、といった懸念は残る。
実は、アメリカでは新型タンドラにガソリンの3.5L V6ツインターボにモーターを追加した“i-FORCE MAX”というハイブリッドパワートレーンが発表されていて、そのままランクルにも搭載可能なはず。
日本を含む先進国向けには、近い将来ハイブリッドモデルが追加される可能性は高い。
しかし、世界中ですでに“社会インフラ”と化したランクルの存在を考えた時、グローバルで電動化するのはまだしばらく先。時間をかけた対応が必要なんだと思う。
【番外コラム】RAV4のAdventureに待望の2.5Lハイブリッド追加!
アクティブなスタイリングで人気のアドベンチャーは2L NAのみのラインナップだったが、11月のマイナーチェンジでE-Fourの2.5Lハイブリッドが追加される。
悪路での走破性の高さに加え、ハイブリッドモデルなら経済性や静粛性も手に入る。
【画像ギャラリー】こ、これは惚れる…!!! 急斜面だろうが腰ほどの水深だろうがガンガン突っ込むランクルをギャラリーでチェック!!!(43枚)画像ギャラリー
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