マツダ787Bを支えたエンジンが精密モデルになって登場

マツダ787Bを支えたエンジンが精密モデルになって登場

 世界にロータリーエンジンの名を知らしめたのは、1991年のルマン24時間レースで優勝した、マツダ787Bだ。2021年は、そのルマン24時間優勝から30周年のスペシャルイヤーとなる年。そんな、スペシャルイヤーに合わせて、マツダ787Bに搭載されているR26Bエンジンを精密に再現したエンジンモデルが、マツダのモータースポーツニュースやグッズ制作をしているMZRacingから登場した。今回は、この超精密なロータリーエンジンモデルを製作にあたっての裏話ともに紹介する。

文/写真:成田颯一

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■R26Bエンジン実物を3Dスキャンして忠実再現

 787Bが総合優勝した年から30周年となる2021年。これまでR26Bエンジンモデルとしてエンジン単体やマツダ787Bモデルカー付きなどいくつかのエンジンモデルが登場したが、今回、そのファイナルエディションが登場した。

 その内容はR26B用のエキセントリックシャフト、ローターハウジング4枚、ローター4個を実際と同じレイアウトにしてセットしたもので、全てマツダ株式会社がスペアパーツとして保管していた実物を借用し、精密3Dスキャンしたデータを基に製作されたものでリアルに再現されている。

保管していた実物を精密3Dスキャンしたデータを基に製作された
保管していた実物を精密3Dスキャンしたデータを基に製作された

 特に4ローター用のエキセントリックシャフトはこれまでモデル化されたことがなく、ローターとローターハウジングに組み込まれたエキセンの形状は当モデルで初めてお披露目されたもの。

 また、ローターハウジングもウォータージャケットの再現に加え、レーシングロータリーの特徴であるインレットペリフェラルポートの摺動面側とマニホールド側との微妙な形状の違いまでが再現されていたのには驚かされた。

■模型化で実車でも見えない部分が明らかに

 このエンジンモデルのもうひとつの胆となるエキゾーストマニホールドとマフラーは、実物のインコネル材がその加工性に難があるため曲げ加工ができず、マニホールドのアール部分はいくつもの輪切りにした材料を溶接でつないでいるが、モデル化ではその溶接痕の再現が難しかったそうだ。

 試作段階ではマツダ側から指摘され何度か修正したとの事。また、特異な形状をしているスプリングストラップ(EXパイプとマフラーをつなぐジョイントパーツ)もしっかりと作りこまれている。

モデル化ではその溶接痕の再現が難しかったそうだが、特異な形状をしているスプリングストラップもしっかりと作りこまれている
モデル化ではその溶接痕の再現が難しかったそうだが、特異な形状をしているスプリングストラップもしっかりと作りこまれている

 この部分は787Bの実車でも、サイドポンツーンとインダクションボックスに遮られ、たとえリヤカウルを外した状態であってもほとんど見ることのできない部分であり、このエンジンモデルによってはじめてその形状や取り回しが明らかになったとの事。

 少し詳しく聞いてみると、このモデルで再現されたエンジンにエキゾーストマニホールドとマフラーが接続された形はたとえマツダ787Bの実車でエンジン脱着作業を行った場合でも、作為的な手順を踏まない限り再現できない形状となっているので、この「カタチ」は現場のメカニックでも見ることのないシチュエーションだそうだ。

 販売価格は17万9300円と、一瞬唸ってしまうような価格だが、スペシャルな年にクリスマスプレゼンとして如何だろうか?

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