日野チームのメンバーのコメント
菅原照仁
今日のコースはトリッキーだったりナビゲーションで差がつくことは少ない、車両の実力を図るのに適したステージでした。その意味で16位という結果は現在のポテンシャルを端的に示していると思います。
ブースト圧の件は解決しましたが、なんとなくエンジンが重い印象でした。ともあれあと3ステージ。引き続き集中して臨みます。
染宮弘和
真下に排気管が通るナビ席は走行中にとても熱くなります。昨晩エアコンのダクトで工夫してもらい、シートはかなりラクになりました。ナビゲーションのむずかしいところは幾つかありましたが、ミスなくクリアできました。
望月裕司
交換したターボのパフォーマンスが期待したほどでなく、エンジニアとしては悩ましい気持ちです。SS中は砂と堅いところが交互に出てくるのでCTIS(集中タイヤ空気圧調整システム)の調整がむずかしかったのですが、パンクせずにゴールできて良かったです。
【従軍記者・多賀まりおの「ダカール2022」短信】
飛躍的に向上したダカールラリーの食事事情
現在、ダカールの競技期間は約2週間。この間は主催者が設営するビバーク地が関係者の生活の場になります。
ビバークには車両を整備したりテントを張ったりするスペースとトイレ/シャワーブースが用意されるほか、食事と飲料水が供給されます。
一部のチームはドライバー/ナビゲーターをホテルに宿泊させたり、ビバークに自前の食材を持ち込んで調理したりしますが、ほとんどの参加者は主催者の用意した食事を摂り、ビバークに宿泊しています。
供給される食事の内容はビバークの物流環境の変化とともに豪華?になってきました。79年の第1回大会は供給なし。
80年から90年代初頭まではトラックの荷台に備えつけたボイラーで温めた缶詰とパン、それに粉末のスープが夕食のメインでした。缶詰の中身は日替わりを謳っていましたが、小職には毎日同じに感じられました。
食べる場所も露天に立食のテーブルが用意される程度です。朝はインスタントコーヒーとパン、昼はエネルギーバーやスナック、缶ジュースなどが入ったランチパックが配られました。
90年代中期以降は食事の質が飛躍的に改善され、調理した料理をプラスチック製のお皿で頂くスタイルに……。
メニューは分かりやすく言えば機内食のようなもので、あらかじめ調理したものを湯煎して出すスタイルです。
この方式は現在まで受け継がれていますが、徐々にステーキなど現場で調理したメニューが増え、サイドメニューでレトルトソースのパスタも食べられるようになりました。
お味は依然機内食レベルですが、ときどき大外れをするのでお醤油は常に持っていた方が良い。また、サウジアラビアではアルコールが頂けないのが個人的には辛いです。
ともあれ人里離れたビバークで2500人分の食事を準備するのは大変な仕事です。メカニック、競技スタッフ、メディカルなど仕事向きによって食事の時間はマチマチ。
選手が競技を終えて夕食を摂れる時間は毎日不確定なので、食事の供給は事実上の24時間体制です。
疲れた顔でも笑顔で食事を渡してくれるスタッフの方々にはみんな感謝していると思います。
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