日野自動車が、アスクル、CUBE-LINXと共同で小型BEVトラック「日野デュトロ Z(ズィー) EV」の実証実験を開始した。
日野が開発したウォークスルー構造の超低床・前輪駆動小型BEVトラック「日野デュトロ Z EV」を用いた実証実験は、2021年のヤマト運輸に続く2例目。
前回は実際の集配業務における効率性、作業負荷低減の効果を確認するものだったが、今回の実証実験では、車両の使い勝手などとともにCUBE-LINXの電動車最適稼働マネジメントサービスの実証実験も行なうとしており注目だ。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部、写真/日野自動車
【画像ギャラリー】唯一無二の超低床前輪駆動小型BEVトラック!! 日野デュトロ Z EVはこんなクルマ!!(6枚)画像ギャラリー日野 アスクル CUBE-LINXによる
日野デュトロ Z EVの実証実験とは?
日野自動車は1月19日、アスクル、CUBE-LINX(キューブリンクス)とともに、日野が開発した小型BEVトラック「日野デュトロ Z EV」を用いた電動車の最適稼働マネジメントの実証実験を行なうと発表した。
アスクルの配送業務において、日野デュトロ Z EVと、電動車の最適稼働マネジメントの実証実験を行ない、車両の使い勝手や検証に加え、配送現場での効率的な車両の運行管理、および最適な充電管理とエネルギー利用量最適化の効果を確認。
同実証で得られた知見を今後の電動車の開発・改良、導入・運用時の課題解決に活かす。
電動車最適稼働マネジメントとは、日野と関西電力が設立した新会社CUBE-LINXによる月額定額サービス。運行管理系システムとエネルギーマネジメントシステムを融合し、最適な充電・配車計画、および電池残量を考慮した走行ルートの生成などを行なう。
期間は2022年1月19日から2022年5月31日まで。場所はアスクルの新木場物流センターで、ウォークスルー構造の日野デュトロ Z EVを2台導入。普通充電器(6kW)と急速充電器(50kW)も各2台導入される。
超低床前輪駆動小型BEVトラック
日野デュトロ Z EV
日野デュトロ Z EVは、日野が2021年4月に発表したウォークスルーバン型の超低床・前輪駆動小型BEVトラック。
ラストワンマイル物流の現場でのドライバー不足、荷役作業や配達業務の身体的負荷、荷物の増加や多様化といった課題の解決をコンセプトに開発され、日野は2022年初夏に市場導入予定としている。
新開発シャシーは、従来のエンジンとトランスミッションの代わりにコンパクトなモーター(最高出力50kW)をキャブ下に搭載。バッテリーを荷台床下のフレーム内側に搭載することで後輪駆動では実現困難だった床面地上高400mmの超低床を実現している。
さらに、ウォークスルー構造(運転席と荷台がつながった構造)により宅配現場での使い勝手も追求。用途に応じた荷台を架装できるキャブ付シャシー型も設定する。
車両サイズは全長約4.7m×全幅約1.7m×全高約2.3mと通常のディーゼル車より一回り小さくなっており、住宅街での使いやすさに寄与。普通免許で運転可能なGVW(車両総重量)3.5t未満としながら、必要な荷室容積も確保している。
航続距離は宅配用途に必要とされる100km以上を確保する。
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