■プーチンとクルマ
2018年に開催されたモスクワモーターショー会場で“アウルス セナート”という高級車がデビューした。
NAMI(国営中央自動車エンジン科学研究所)で開発されており(一部西ヨーロッパ企業も参画)、プーチン大統領専用車の“民生版”といっていい存在だ。
当時は“プーチン大統領のクルマ”とも言われたが、プーチン大統領専用車(コルテージ)は別にあり、これが広告塔になったのである。
それまでの大統領専用車はメルセデスベンツであった。しかし、当時はすでにクリミア半島を一方的にロシアが併合したことで西側諸国から経済制裁を受けており、「メルセデスベンツが大統領専用車というのはいかがなものか」という話が出て、セナートが開発されたとも聞いている。
発表時には会場に閲覧専用の分厚いカタログが置いてあったが、ロシア語のほかに中国語が併記されていた。
■汚職まみれの!? 交通警察
空港からタクシーでモスクワ市内中心部へ高速道路で向かう途中、ジャンクションでタクシーが停車した。そしてドライバーが向かった先に交通警察官がいた。
勝手にタクシーを狙い撃ちにして“関所”を設けて“通行料”をタクシーから取っていたようだ。
ロシアでは、車内に常備する登録関係書類は種類が多く、足りないまま乗っている人も多いようで、それを取り締まるフリをして、目こぼしするからと“袖の下”を要求してくるとのこと。
この写真のようにすぐに袖の下をくれそうな高級車を停めてはドライバーに要求している、と思われる風景は幹線道路では珍しくなかった。
■「モスクワ、サンクトペテルブルクとそれ以外」という考え方
モスクワへ行くと、レクサス車が多く走っている(LXやNXばかり)。LXは滞在期間(5日ほど)で東京の3年分ぐらい見かけてしまった……!
が、これはモスクワに限った話。
市場性を見るには、モスクワ、サンクトペテルブルク、その他の地域でかなり状況が異なるという。
例えば「全ロシア」での新車販売統計では、自国製ラーダ車の販売台数がかなり多い。
だがこれは「その他地域」でよく売れている傾向を反映したもので、モスクワ市内ではそれほど見かけない、という実情もあったりするのだ。
【画像ギャラリー】ロシア・モーターショーを彩る美女たちもご紹介! 政治・生活…「ロシアのクルマ事情」をギャラリーでチェック!(19枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方