メルセデスのポーポシングはかなり重症。W13-Bの登場が無いとはいえない
レッドブルだけではなく、メルセデスもまた今シーズンのW13のトラブルで大いに苦戦を強いられている。3戦目でも持病のポーポシングは治らず、高速サーキットゆえに数カ所で激しいポーポシングを発生させていた。オンボードカメラに写るハミルトンのヘルメットが、これでもかと上下に激しく揺れる映像はドライバーに同情さえしたくなるほどであった。
それでもラッセルは激しいレースを展開、負けず嫌いの性格をむき出しに頑張り、幸運が味方したとはいえ3位の表彰台は正に予想外の好成績だった。そして4位にハミルトンだが、不運にもピットストップのタイミングが悪く、3位の表彰台をラッセルに持って行かれてしまった。
メルセデス不調の根は深く、下手をすればコンセプトから大幅変更されたW13-Bの登場が無いとはいえないほど深刻な状況に陥ってしまった。
それでも結果オーライで、ラッセルは何とチャンピオンシップではルクレールに次ぐ2位の位置にいる。流石メルセデスが見込んだだけあってクールな走りであった。この結果にハミルトンは自分では納得できず、不満げな様子を見せ始めている。実際無線ではチームに嫌みをいったほど。今ハミルトンは経験したことのないジレンマの中にいるようだ。
アルファタウリ角田の謎の失速。高速コースで蘇ったマクラーレン
レッドブル同様、今回のメルボルン戦はアルファタウリにも試練を与えている。過去2戦は結構良いペースだったものの、メルボルンには合わず、ガスリーも角田も結果に繋がらず、ガスリーが9位完走に辿り着くのがやっとの状況であった。また角田も出だしはよかったものの、後半で失速、順位を大きく落としてしまった。
そしてメルセデスの漁夫の利とは違い、マクラーレンがいよいよ快復の兆しを見せていることにも注目したい。ノリスが5位を獲得したが、マクラーレンにとってハッピーなのはその直後にリカルドが6位に入って、ダブルポイントを獲得したことだ。いよいよリカルドのスランプが終る日が近づいてきているのかもしれない。ブレーキのオーバヒートとダウンフォース不足を何とか向上させてきているし、これにリカルドの復活が重なりそうな気配で、こう考えるとマクラーレンの未来は明るく見えてくる。
【画像ギャラリー】ルクレールがPP&優勝を獲得したオーストラリアGP! レッドブル挽回なるか?(5枚)画像ギャラリー津川哲夫
1949年生まれ、東京都出身。1976年に日本初開催となった富士スピードウェイでのF1を観戦。そして、F1メカニックを志し、単身渡英。
1978年にはサーティスのメカニックとなり、以後数々のチームを渡り歩いた。ベネトン在籍時代の1990年をもってF1メカニックを引退。日本人F1メカニックのパイオニアとして道を切り開いた。
F1メカニック引退後は、F1ジャーナリストに転身。各種メディアを通じてF1の魅力を発信している。ブログ「哲じいの車輪くらぶ」、 YouTubeチャンネル「津川哲夫のF1グランプリボーイズ」などがある。
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