■シビックのイメージはいったいどうなる!?
シビックというだけで条件反射のように8000回転まで一気に回るエンジンを想像するのがクルマ好きの悲しい性だが、もうB16エンジンはないのです。
9000回転は夢のまた夢ではあるけれど、現行シビックの1.5Lターボ(MT)は182ps/5500rpm、24.5kgm/1900-5000rpmを誇る。たった182psなんて侮るなかれ。
大人4名乗車でも加速感は鈍くなく、MTならばそのトルクの太さも実感できるエンジンだ。そしてきっと多くの人がイメージしているターボ化したネガは出ていない。
ただ、ちょっと気になるのがシフトの感覚。現行のシビックタイプRの「コクッ」と小気味よく入るシフトと比較するのは酷かもしれないが、すこし緩さを感じてしまう。
とはいえ、違和感なんてものはそんなもので、クルマ全体が醸し出す何事も起こらない安心感がある。同時に、すべてが自分の手中にある感覚も覚える。
けれどシビックハッチバックにはハードよりもソフト面で大きな課題があると思う。このクルマがどんなカーライフをもたらしてくれるのかがハッキリしないことだ。
コンパクトだけど実用性もあって、クルマ好きならキビキビと運転も楽しめる。そんなかつてのシビックが持っていたイメージは根深くファンの心理には残っている。
まずそれをズバッと否定する必要があるのかもしれない。「はい、これが新型シビックです」と言ってもファンは少し受け入れがたい部分だろう。
現状は本当にいいものを求めるエンスー層が買うクルマになっている。もちろんそれでもいいのだが、日本市場でのシビックのイメージが少しフワフワしている気がしてならない。
あれこれ話が散らかりつつあるので軌道修正したいが、クルマ自体の完成度の高さは多くのジャーナリストも認めるところ。
もし乗ったことがないのなら、ぜひ試乗をおすすめしたい。この価格でこの完成度ならいいじゃん!! と実感できるクルマだ。
【シビックハッチバック主要諸元(6MT)】
全長4520×全幅1800×全高1435mm、ホイールベース2700mm、車両重量1320kg、最高出力182ps/5500rpm、最大トルク24.5kgm/1900-5000rpm、車両本体価格280万440円
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