ワゴンR、ヴィッツら人気車が凋落の危機!? 5年後が心配なヒット車

人気SUV、CX-5は“ディーゼル主力”に不安も

CX-5(2016年-)/2018年7月販売台数:2265台。発売直後の2017年3月には9669台を販売したが、直近ではハリアー、エクストレイル、フォレスターに次ぐ台数に

SUVがブームといわれるが、好調に売れている車種は限られる。海外市場向けが多く、販売が低調な車種も目立つ。

売れ筋はすべて乗用車のプラットフォームを使う前輪駆動をベースにしたシティ派だ。
全長が4400mm以下のコンパクトなC-HRとヴェゼルの人気が高く、これにミドルサイズのエクストレイル、フォレスター、XV、CX-5が続く。ミニバンと同様、コンパクトとミドルサイズが販売の中心だ。

コンパクトな車種は価格が250万円前後で購入しやすいが、ミドルサイズは280万円以上だから、好調に売り続けるには工夫が求められる。

それでもエクストレイルは、シティ派ながらSUV特有のタフに使えるイメージを際立たせて今後も堅調に売れる。

フォレスターは水平対向エンジンと4WDが、SUVのカテゴリーに合うから同様に堅調を保つ。ハリアーも独自の位置付けを確立させた。

しかし、CX-5はクリーンディーゼルターボのイメージが人気を牽引するが、これが下火になると難しい。

少なくとも2WDの「20Sプロアクティブ」は、価格据え置きで排気量を従来の2Lから2.5Lに拡大すべきだ。

現時点でもマツダ車は、ガソリンエンジンの500ccの排気量アップを価格に反映させていない。このほか2018年11月に追加される2.5Lのガソリンターボが成功するか否かも重要だ。そうしないと売れ行きが下がる。

価格についてはCX-3、レクサスのNXやRXはいずれも割高だ。これらの車種も今後の先行きが危ぶまれる。

売れ筋ミニバンながら販売低下傾向のステップワゴン

ステップワゴン(2015年-)/2018年7月販売台数:4381台。かつてはセレナ、ノアを寄せ付けない人気を誇ったステップワゴンながら立場は逆転。現在は堅調に売れるが、将来的には台数減少の懸念も

人気のカテゴリーとされるが、過去10年ほどの間に新鮮味が薄れ、車種数はかなり減った。特に背の低いスライドドアを装着しないワゴン風のミニバンは、ジェイドだけになって販売が低迷。それ以外はすべてスライドドアを備えた背の高い車種だ。

ミニバンの市場は縮小傾向だが、ボディが小さなフリードとシエンタは、車内の広いコンパクトカーとしても機能するから今後も堅調に売れる。

難しいのはそれ以上のサイズだ。セレナ/ヴォクシー3姉妹車/ステップワゴンは、いずれも商品の特徴が似ている。

ホンダは軽自動車のN-BOXとコンパクトミニバンのフリードに力が入り、ステップワゴンは売れ行きが下降傾向にある。今後はステップワゴンも、オデッセイのように販売が低迷する可能性がある。

Lサイズミニバンには、上級セダンに代わるニーズもあり、ファミリー指向の強いミドル/コンパクトサイズとは違う法人需要をねらえる。

「大人のミニバン」になり得るが、かつて好調に売れたエスティマは設計が古く、エルグランドは3列目と荷室が狭い。オデッセイを含めて販売が低迷する。

つまり、以前の人気車が現時点ですでに不人気車になっている。唯一アルファード&ヴェルファイアに需要が集まる今の状況は、今後も変わりそうにない。

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 以上のように各クラスとも、現時点で人気に陰りが見え始めているモデルが多く、さらに増えると国内販売の屋台骨が揺らぐ。

日本のユーザーは車を見る目が肥えているので、入念な商品開発が求められる。

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