今や絶滅寸前!! 拭き取り面積の広い“対向式ワイパー”はなぜ淘汰されたのか?

2本じゃない!? 変わり種“1本ワイパー”も絶滅寸前

こちらはかつて販売されていたホンダ トゥデイの1本ワイパー。以前から希少な存在だったが果たしてどれほど現存している?

 さて、ここまで紹介した対向式、そして主流派の平行式もフロントワイパーの本数は2本だが、実はワイパーが1本しかない車も以下のように少数ながら存在している。

◆1本ワイパーを採用する主なモデル

【現行車】
・トヨタ ヴィッツ
・三菱 i-MiEV
・タタ ナノ(2008年登場の初代は10万ルピー=当時約28万円という価格破壊で有名になり、2代目の現行型も約2万4000円ルピー=約36万円と激安)

【過去に販売されていたモデル】
・ベンツ Eクラス(W124型、W210型)、190、Cクラス(W202型)、SL(R129型)
・日産 3代目シルビア(初期型)
・いすゞ 初代ピアッツァ
・ホンダ 2代目プレリュード
・ホンダ トゥデイ

 このように、採用車種数を見ると対向式ワイパーに近い印象だ。しかし、以下のように1本ワイパーもデメリットが多く、それが対向式ワイパーと同様に普及しない原因となっている。

◆メリット
・長いワイパーを使えばそれなりの払拭面積を確保できる

・単純な仕組みならコスト安

◆デメリット
・払拭する時間的な間隔が2本ワイパーよりも長いので、結果的に視界を確保しにくいケースも

・ワイパーが長いため、作動スピードを速くするとモーターに負担が掛かり、長期的にはトラブルにつながることも

・ベンツの1本ワイパーは払拭面積を稼ぐためアームが伸縮するタイプだったが、構造が複雑で生産コストが高く、修理費も非常に高い

・信号待ちなどの停止中に使うと、払拭した際の水が歩行者や自転車に掛かりやすい

・当然ながら1本しかないので、トラブルが起きると一巻の終わり

◆  ◆  ◆

 ワイパーといえば、マクラーレンオートモーティブが超音波で水滴を飛ばすタイプの開発をかなり前に表明したが、現在も実用化されていない。

「現在のワイパーに変わるものが発明されたらノーベル賞モノ」と言われるように、画期的な新技術の開発は至難の業。それだけに、ワイパーの次の形が今後見られるかどうかも楽しみではある。

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