アルファードらはなぜ人気? 大きくても売れる車が秘める人気の理由

“大柄セダン”でもカムリが堅調に売れる理由

カムリ/全長×全幅×全高:4910×1840×1445mm、2018年3月販売台数:3137台。クラウンより大柄なセダンながら、今年の決算期は3000台以上を販売。セダン人気が低迷するなか、堅調な売れ行きをキープする

トヨタのカムリがフルモデルチェンジをし、好調な販売で推移している。「なにより格好いい4ドアセダンを目指した」というチーフエンジニアの言葉通り、クーペのように後ろへ流れる姿は近年の4ドアセダンのデザイン潮流をうまく採り入れている。

また、口を大きく開けたようなフロントグリルは、カムリが走ってくることを一目でわからせる、強い存在感を備えている。

室内は運転者を中心とした造形が施され、見た目にも特徴がわかりやすく表現されている。後席は、前輪駆動車であることを存分に活かし、ゆったりくつろげる空間をもたらしている。

昨今、4ドアセダン離れといったことが語られるが、例えば東京を例にすれば、輸入車の多くが4ドアセダンかSUV、あるいはステーションワゴンという様相で、SUV一辺倒ではない。きちんとセダンとワゴンが売れている。

したがって、格好良く、存在感があり、魅力的な4ドアセダンであればまだ売れるのである。そのことは、新型クラウンの販売動向からもうかがい知ることができる。

そのうえで、カムリも国内仕様においてはハイブリッド車のみの販売となり、燃費が良く環境性能に優れることがわかる。また、ハイブリッドであるがゆえに、上級の4ドアセダンにふさわしい静かで快適な乗り心地を得られる。

では、なぜミニバンやSUVではなく4ドアセダンなのかと言えば、実は、ミニバンやSUVは高齢になるほど乗り降りしにくいクルマなのである。

ミニバンの後席乗降用に手すりが設けられていたり、SUVは地上高が高く、床に足を乗せて登るように乗らなければならなかったり、降りるときには足がすぐ地面につかないので不便だ。

50歳台くらいの中年までであればまだ足腰が強いかもしれないが、高齢になるほどそうした乗降性で敬遠したくなる。あるいは女性でも、スカートをはいての乗り降りは、ミニバンやSUVは苦労するのではないだろうか。

単にクルマとしての性能や機能、あるいは流行りとは別に、日々乗り降りする日常性を考えると、4ドアセダンの価値はまだ大きく、なおかつ、カムリのように前輪駆動のセダンであれば、荷室も驚くほど広いので、よほど背の高い荷物を積むのでなければゴルフバッグなどを容易に積めるだろう。また背が低い分、走行安定性もミニバンやSUVに比べ優れている。

米国では、実用車として価格の安い直列4気筒ガソリンエンジンのカムリがもっとも売れ筋だが、国内におけるハイブリッド車は、クラウンほど仰々しくなく、実はかなり狙い目となりえる4ドアセダンの一台なのである。

全長4.9mでも居住性と使い勝手の“妙”光るCX-8

CX-8/全長×全幅×全高:4900×1840×1730mm、2018年3月販売台数:4342台。CX-5よりひと回り大柄なボディサイズながら予想を超える売れゆき。直近でも身内の小型SUV、CX-3と同等の販売台数を稼ぐ

2017年に追加発売されたマツダCX-8は、3列シートのSUVとして、こちらもCX-5と並んで堅調な売れ行きである。マツダのほぼ同じ大きさのSUVとして、この2台の販売台数を合わせると、登録車におけるベスト10に入るほどの数になる。

近年、3列シートを持つSUVの人気が全体的に高まっており、CX-8もそうした1台だが、試乗をして実感したのは、3列目の座席もかなり快適な居心地である点だ。

3列目の座席は、床と座席との高さに余裕がなく、膝を抱えて座る格好になりがちだ。実際、3列目は子供を含め小柄な人しか乗れないような3列シートのSUVが多い。

そうしたなかで、CX-8は、床をできるだけ低く抑えることにより、膝を抱えるような姿勢が緩和されている。やや足を横へずらすように座れば、よほどの長距離移動でないかぎり苦痛に思わないで済む。

さらに、当初はディーゼルエンジンのみでの販売だったが、それでも3列目と運転席の人とが普通に会話できる静粛性が確保されていた。3列目に押し込められて座っているという嫌な座席のつくりになっていないのである。

また、全長は伸びているが、車体全幅はCX-5と同じであるため、駐車場所の確保もそれほど困難ではないだろう。

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 トヨタのアルファード/ヴェルファイアとカムリ、そしてマツダ CX-8の3車は、いずれも実用性において顧客の願いをかなえる満足度を備えながら、存在感や格好良さにも気を配った3ナンバー車といえるのではないだろうか。

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