塵芥車(ゴミ収集車)や衛生車(バキュームカー等)の開発/製造/販売を行なうモリタエコノスはこのほど、回転板式塵芥車用ウイルス除去剤噴霧装置「ミラクルキヨラV」を発売した。
市民の生活環境保全と公衆衛生向上を支えるゴミ収集作業員は、エッセンシャルワーカー(社会インフラ維持に不可欠な労働者)として、社会機能の維持に貢献しているが、日々の収集作業でゴミからウイルスが飛散するリスクがあり、衛生対策が求められていた。
ゴミ収集作業員を収集作業時のウイルス感染から守ることで、作業環境の改善につながることが期待されるミラクルキヨラVの特徴とは?
文/トラックマガジン「フルロード」編集部 写真/モリタエコノス
【画像ギャラリー】昨年発売された塵芥車臭気抑制装置「ミラクルキヨラ」の画像もチェック!!(3枚)画像ギャラリー回転板式塵芥車用ウイルス除去剤噴霧装置「ミラクルキヨラV」
ミラクルキヨラVは、回転板式塵芥車の投入口内(押込板付近)に搭載される噴霧装置からウイルス除去剤を噴霧するもの。専用開発された噴霧装置(特許出願中)は架装物と連動しており、効果的なタイミングで自動的に噴霧を行なうことが可能となっている。
噴霧されるウイルス除去剤(特許出願中)は、花王がミラクルキヨラV専用に開発したもの。効果としては、新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスなど、エンベロープタイプウイルス2種への効果が認められている。
投入口内には、投入されたゴミ袋の破裂に伴うゴミ汁の飛沫や、噴霧されたウイルス除去剤の飛散を防止するための遮蔽カーテンを搭載(イラスト参照)。ウイルス除去剤と合わせてゴミ収集作業員のウイルス感染リスクを軽減する。
取り付け対象機種は、モリタエコノスの回転板式塵芥車「パックマスター」シリーズ全機種で、圧縮式塵芥車「プレスマスター」への展開も検討中とのことだ。
なお、回転板式塵芥車は、投入口内の回転板でゴミをかき込み、押込み板で荷箱内に押し込むタイプの塵芥車。ゴミの圧縮力は高くないが、スピーディな収集作業がが可能なため、家庭ゴミなどの収集に用いられる。
販売価格は、装置一式が税別40万円、ウイルス除去剤1タンク20kgが税別7000円となっている。
塵芥車臭気抑制装置「ミラクルキヨラ」も発売中!
ミラクルキヨラVと関連して、同社が2021年1月に発売した塵芥車臭気抑制装置「ミラクルキヨラ」についても改めて紹介しよう。
同製品は、塵芥車の作業現場周辺や作業員の労働環境改善を目指し、同社が花王と共同開発したもの。専用香料とナノ化噴霧技術を駆使して、生ゴミ等が放つ悪臭を抑制する。
具体的には、投入口内側から専用香料を噴霧し、投入口周辺の悪臭を抑制する。専用香料は、森林浴をイメージしたハーブ系の爽やかな香りという。
ナノ化噴霧技術により、軽く、細かい粒子となった専用香料を投入口内に素早く拡散、浮遊させることが可能となっており、積込作業中の現場の悪臭をはじめ、走行中の残り悪臭、作業着へのしみつき悪臭などを抑制可能。こちらはモリタエコノスの塵芥車全機種に搭載可能となっている。
現在も好評販売中で、装置取付価格は新車の場合が税別19万8000円、既納車の場合が税別26万8000円。セット内容には約1年分の香料(200ml×6本)も含まれる。
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