日野がアメリカ市場に中型EVトラックを投入へ! SEAエレクトリック製の電動パワートレーンを採用

ディーラーではハイブリッドの経験が活きる?

日野がアメリカ市場に中型電気トラックを投入へ! SEAエレクトリック製の電動パワートレーンを採用
こちらはプロジェクトZの大型BEVトラック(2020年)。SEAエレクトリックもこのプロジェクトのパートナーだった

 今回の発表の1週間ほど前には、米国向けのBEV大型トラックで日野とノルウェー企業のヘキサゴン・プルスが提携に向けた協議を行なっていることが報じられた。なおヘキサゴン・プルスとSEAエレクトリックは、両社ともトヨタ・日野が米国で行なったゼロエミッショントラック実証プロジェクト「プロジェクトZ」のパートナーだ。

 大型車とほとんど間を置かずに中型トラックの電動化を発表した背景には、カリフォルニア州が全米に先駆けて進めている環境政策があるようだ。

 米国日野(日野トラックス)社長のグレン・エリス氏は次のように話している。

 「2024年よりカリフォルニア州ではアドバンスト・クリーン・トラック(ACT)の義務化が始まるため、電動トラックの需要が急増しています。弊社のお客さまも実際の運行能力を評価するためにEVを必要としており、私たちは過去数年間にわたって電動化に向けて邁進してきました。

 SEAエレクトリック社との戦略提携は、全米のお客様のニーズを満たすためのパワートレーンオプションを提供するという私たちの計画の一部です」。

 カリフォルニア州大気資源委員会(CARB)は2024年に州内で販売される単車トラック(クラス4~8)の9%以上をゼロエミッションとする計画で、一定以上の規模の運送会社(保有台数50台以上)には報告義務も課される。同様の動きはアメリカの他の州にも波及しているという。

 いっぽう米国日野のディーラーネットワークは、BEVトラックの発売に向けて準備が整っているそうだ。ハイブリッドトラックで豊富な経験を持つ日野のディーラーには、高電圧系のトレーニングを受けたサービススタッフが多く在籍しており、電動トラックにおいても安全かつ効率的な整備が可能だからだ。

 また、こうした電動化を補完するために、電動車両ポートフォリオである「日野インクルーシブ」を通じてインフラ構築を支援する。これは全米のディーラーネットワークによる顧客中心の電動トラックソリューションで、コンサルティングから車両販売、インフラ、ファイナンス、メンテナンス・サービスなどが含まれている。

 米国日野の副社長でセールス&マーケティングを担当するジョン・ドナト氏は次のように話した。

 「日野トラックスはお客様にサステナブルなオプションを約束する車両を提供します。コネクテッドソリューションである『日野エッジ』テレマティクスでは、ラストマイル輸送やボケーショナル(特装車)市場を含むBEVトラックに最適な戦略を開発しました。

 弊社には電動車両があり、それに対するサポートも可能です。現在、そして将来のお客様がよりクリーンな未来に向けて動きだすために必要なツールが、日野には全て揃っています」。

【画像ギャラリー】米国日野のBEV中型トラックとSEAドライブを採用するトラック(7枚)画像ギャラリー

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