デトロイトショーで公開されたRC Fのデザインはほぼこのまま。 ヘッドライトが少し変わる可能性がある。デビューは10月が予定されている
新型V8.5ℓは477㎰!10%以上のパワーアップ
昨年11月の東京モーターショーで公開されたレクサスISの2ドアモデル〝RC〟のデビューが10月に迫った。
今年1月にはこのRCのトップレンジともいえる〝RC F〟もデトロイトショーに登場し、あとは出るのを待つばかり、といった状況だ。
そうしたなか、いよいよ市販向けの最終スペックが決まり、日本車初の装備なども判明したので紹介しておこう。ここ数カ月以内に登場するモデルで最も気になるスポーツモデルといっていいだろう。今回はその頂点に君臨するRC Fについてだ。
発表はベースとなるRCと同時になるが、エクステリアデザイン、サイズなども専用となる。まずはボディサイズ。
全長×全幅×全高は4705×1850×1390㎜と、これはデトロイトショーで公表された数字と同じ。ホイールベース2730㎜も同様だ。これに加え未公表だった重量は1780~1840㎏とわかった。
60㎏の差があるが、これは装備によるもので、半年ほど遅れて発表されるカーボンを多用するライトウェイト仕様とは異なる。現行の4ドアモデルIS Fに比べ約100㎏の重量増になるが、10%以上改善されるエンジンパワーにより、このウェイト分を充分カバーする。
エンジンは2UR-SE。直噴のV8、5ℓガソリンエンジンとなる定常域ではアトキンソンサイクルで回し、燃費を稼ぐ。最高出力は477㎰、54・0㎏mとパワーは10%以上の向上を果たす。
そうなのだ。パワーは5%以上の向上と説明されてきたが、RC FのV8、4968㏄、2UR-GSEは477㎰と現行モデルに比べると54㎰と、10%以上のパワーアップが図られる。
発生回転は7100rpmと、500rpm高い回転で発生することになるが、トルクは2・5㎏m太く54.0㎏m/4800~5600rpmで、現行モデルよりも低い回転数からピークトルクが得られるようになる。
結果として、JC08モードは8.1㎞/ℓと変わらないものの、出力の向上やウェイト増にもかかわらずまずまず良好な数字をマークするということだ。
もちろん、燃費の向上に関してはエンジン内部の見直しなどもあげられる。ニューエンジンでは軽量なチタンバルブ、鍛造コンロッドなども採用するし、動的部分のヘッド回りのパーツ類も大きく手が入れられる。
さらにアイシン製の8速ATも進化する。8スピードSPDS(スポーツダイレクトシフト)はマニュアル操作用のMポジション付きのスポーツATで、4つのモードが選べる。
「ノーマルモード」のほか、「エコモード」「スポーツモード」「スポーツ+モード」があり、このスポーツATにはISなどにも採用されるものよりも大きく進化した「G-AIシフト制御」を採用。
メルセデスベンツの大型トラックなどに採用されているGPSデータを使ったクルーズコントロールで、坂道でのシフトダウンなどを積極的に行うものがあるが、これはそれを大きく進化させ、クルーズコントロールだけでなく、自車の加減速G、車速などの状態を演算しながら最適なシフトを行うものだという。
LFAでは、サーキット内というかぎられた場所で、GPSと連動し、各ギアを自動的にセレクトするシステムもあったが、RC Fの場合、一般路から高速までこのG-AIシフト制御が可能。
ちなみにメルセデスベンツのトラック、アクトロスの場合、このGPS制御によるクルーズコントロールで3%の燃費の改善が図られるというが、RC Fの場合、燃費の改善だけでなく、走る楽しさ、気持ちのいい走りにも寄与するという。
RC Fではこうした走りの演出のために、インパネ内に専用メーターが表示される。走行中のG、リアタイヤへの駆動力などをはじめ、スポーツ走行等の状態を示すメーターがディスプレイ上に表示されるものだ。
そのほか、スポーツ走行のための装備としては、TVD(トルクベクタリングディファレンシャル)をFR車として世界初採用。
左右の駆動輪を制御し、挙動を安定させるものだが、3つの走行モードから、挙動を設定できる。「スタンダード」「スラローム」「サーキット」の3モードでドライバーのコントロールの幅をもたせる狙いがありそうだ。
ベースとなるRCはV6、3・5ℓのRC350と、直4、2・5ℓハイブリッドのRC300hが用意され、それぞれスポーツグレードの〝F〟も設定される。
JC08モード燃費は350が9・8㎞/ℓ、300hが23・2㎞/ℓとなり、価格はRC350が約550万円、300hは520万円程度が予想される。
そして、このRC Fは1000万円を切るベーシックグレードが用意され、上級グレードは1000万円を突破する。ボンネット、ルーフ、ウィングなどのカーボン化により10㎏軽量化される〝カーボンパッケージも少し遅れて開発される。
レクサスRC F 予想スペック | |
全長 | 4705㎜ |
全幅 | 1850㎜ |
全高 | 1390㎜ |
ホイールベース | 2730㎜ |
車両重量 | 1780~1840㎏ |
エンジン | V8、直噴ガソリンDOHC |
排気量 | 4968㏄ |
最高出力 | 477㎰/7100rpm |
最大トルク | 54.0kgm/4800~5600rpm |
JC08モード燃費 | 8.1㎞/ℓ |
価格 | 950万円 |
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