クルマと道路は切っても切り離せないもの。だから全ドライバーはもっと道路について知っておかねばならない。自動車評論家でありながら、交通ジャーナリストでもある清水草一が、毎回、最新の道路情報や、知っておくべき道路の知識をわかりやすく解説する当コーナー。まず第一回目となる今回は、2023年のGW(ゴールデンウィーク)渋滞について取り上げる。混雑具合はどうなのよ?
文/清水草一、写真/清水草一、フォッケウルフ
■2019年並みの大渋滞が発生する!?
今年、2023年のGWは、2019年以来4年ぶりの「コロナ明け」だ。JR各社の予約状況は、ほぼコロナ前の水準に戻っており、航空各社も8割以上まで回復している。では、高速道路はどうなのか。NEXCO各社および本四会社、日本道路交通情報センターがまとめた渋滞予測は、次のようになっている。
コロナ前の2019年との比較では、10km以上の渋滞が557回から356回へ36%減、30km以上の渋滞は51回から14回へと63%減と予測されている。
「えっ、そんなに軽く済むわけ?」
多くの方がそう思われるだろう。この渋滞予測が発表されたのは、3月29日。4月に入ってからのレジャーの急回復は織り込まれていない。
新型コロナ感染症の流行が始まる以前、GW等交通集中期の渋滞予測は、約8割程度的中してきた。予測の精度は十分高く、事前の渋滞回避策を練るための基礎情報として役立ってきた。しかしコロナが始まってからは、レジャー客が激減し、渋滞が大幅減少。予測はメタメタになった。
2020年のGWは、10km以上の渋滞回数ゼロ。2021年は36回。行動制限が解除された2022年は294回だった。その流れからすると、今年の356回というのは順当にも思えるが、昨年はまだコロナが収束し切っておらず、旅行をためらう人は多かった。
しかし今年は、「コロナは終わった」という空気になっている。今年のGW、この3年間で溜まりに溜まったレジャー欲や帰省欲が爆発することは、おおいに考えられる。
2009年に「高速料金1000円上限」が導入された際は、高速道路の渋滞がほぼ倍増した。今年はそれに近い現象が起きても不思議はない。少なくとも、2019年並みの渋滞は覚悟しておくべきだろう。
コメント
コメントの使い方助手席に人が乗っていればスマホでGoogleMapから混雑状況が見えるので渋滞にはハマらない筈なんですよね。何のための「助手席」なのか。漬物石じゃないので助手ならドライバーのサポートすれば良いのに。