【新古車は買える? 下取りが高い色は? …等々】 謎多きクルマ売買「虎の巻」

 実際にクルマを購入する場合、よくあるバイヤーズガイドなどでは紹介されていない問題にぶち当たることも多い。

 担当となる営業の人によって値引き額が違うのか、納期を縮めるにはどうすればいいのか、はたまたフルモデルチェンジ前のクルマが欲しいんだけどどうすればいいのか…などなどだ。

 そんなユーザーが抱えるいろいろな問題を解決しようというのがこの企画。クルマ購入の様々なギモンに答えてくれるのは、本誌『ベストカー』の「地獄耳スクープ」でもおなじみ、月に200店のディーラーを回る流通ジャーナリスト遠藤徹氏。

 最強の指南役のアドバイスを元に、手放す時のことも考えたベストな買い物を、ぜひ!

※本稿は2019年2月のものです
文:遠藤 徹、ベストカー編集部/写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2019年3月26日号


■展示車両や試乗車両って安く売ってもらえるんですか?

 うまく出会えれば展示車や試乗車は大幅値引きで買える場合が多い。

 小型車クラスで20万円引きが一般的だとすれば35万円以上は可能だ。

 ただしケースバイケースでその度合いは変わる。それは営業マンとの交渉次第といえる。試乗車両のほうが痛みが多く、走行距離も伸びているのであれば安くなる。小型車クラスで40万円以上の値引きなどがある。

■10月に消費税が上がりますが、9月末日までに契約書に判を押せばOKですか?

 10月1日に消費税が10%に引き上げられるが、9月末までに契約書に判を押したのでは間に合わない場合が多い。新車はナンバーを取得した時点で課税されるので、その前に登録や届出手続き&取得を終えていなければならない。

 ただし販売店によっては間に合わず課税されてしまったら、その分は値引きの上乗せでカバーするところもある。

営業マンはアナタを見ている。値引き交渉で有利に立つにはなにより「粘り」が大切なのです

■年末商戦より、新年になってからクルマを買ったほうがメリットは大きい?

 年末商戦よりも新年になってからクルマを買ったほうがメリットは大きい。

 年式が1年新しくなるから、その分、のちのちの中古車価格が高くなり、代替えで下取りに出す時に高く売れると考えてよい。

 年末商戦と新年の初売りセールの条件はあまり変わらない。ただ最近は、初売りセールでもかなり好条件で購入できるケースが増えている。逆に年末セールは盛り上がりが緩くなっている傾向がある。

■フルモデルチェンジ前のクルマが欲しいのですが、どうすればいいでしょう?

 フルモデルチェンジする場合はその3カ月くらい前にオーダーストップし、在庫一掃セールがスタートするのでそれを狙えばよい。その事情は販売店の営業マンが知っている。半年前からグレード、ボディカラー、オプションの選び方に限りが出たりする。

 フルモデルチェンジの多くは量販モデルは5~6年パターンで繰り返されるのが一般的であるから、そのモデルの発表、発売日を知れば次のフルモデルチェンジ時期をおおよそ予想することができる。

 具体的な車種については営業マンに聞けば教えてくれる。

■安いグレードって買ったら損なんですか?

 装備内容いかんで損にも得にもなるので要チェック。値引き幅も小さくなりがちなことにも配慮する。他のグレードとの比較検討もする。

 安いグレードは中古車価格も安いので手放す時に損をする確率が高くなる。売れ筋の中間グレードが最もお薦め。

■モデルチェンジ前のクルマよりモデルチェンジ後のクルマのほうがメカは熟成されているんですか?

 そういう場合が多いが、必ずしもイエスといえないクルマもある。

 時にはエンジンの性能、燃費がまったく同じながら、内外装のデザイン変更だけのマイナーチェンジも数多く見受けられる。マイチェンを機に過剰品質だったパーツを適正化の名でコストダウンするケースもあるので要注意。

■登場から何年も経っているクルマは値引きも大きいのですか?

 一般的には小型車クラスの量販モデルだと新規発売やフルモデルチェンジしたばかりの新型車だと、いわゆる「新型車効果」でクルマはよく売れるので売り手市場になり、値引きは引き締まる。

 発売直後だと車両本体価格からはナビ、ETC付きで5~10万円程度にとどまるケースが多い。それが時の経過とともに経年変化で商品力が弱まり値引き幅が拡大していく。

 半年経過で15万円程度、1年だと20万円を超える。その後1年半で25万円、2年で30万円となる。おおよそ半年ごとに約5万円ずつの上乗せに。

 3年経過でマイナーチェンジし、新型車の時点に戻る。その後はまた半年ごとに拡大していき、5~6年後にフルモデルチェンジとなる。

 ただしこれはあくまで標準的なモデルのパターンであり、人気の度合いによって大きな格差が生じる。

■残価設定ローンはどんなクルマでも使えるんですか?

 一般的には販売店で扱っている新車は全部使える。詳細は店頭に置いてある専門のパンフレットに掲載されている。法人向けの商用車は除外するケースもある。ただ時期によって金利が異なったりするので残価設定ローンを利用する時は要注意だ。

■銀行などの自動車ローンと、ディーラーの自動車ローンでは審査の厳しさは違いますか?

 銀行などの自動車ローンとディーラーで扱っている自動車ローンは違うと考えてよい。一般的にはディーラーのほうが通りやすい。

 ただ当該金融機関と日頃から付き合いがあり預金がしてあったりするとローン審査はパスしやすい。

 しかもその預金口座の金額が多いほど条件はよくなる。

 ただしディーラーローンは実績があり、滞納経歴がなければ即パスしやすい。

■自動車ローンは住宅ローンのように借り換えができるのですか?

 住宅ローンのように一般的にはできない場合が多い。一旦解約し、精算してから組みなおす。残価設定クレジットだと3年、5年などキリのよい期間で精算が可能になる。こうした手法の定款は契約書の裏面に掲載されているので参考にするといい。

■同じトヨタディーラーでも隣町のディーラーではローン金利は違うのですか?

 たとえば同じトヨタディーラーでも、近所のトヨタディーラーと隣町のトヨタディーラーではローン金利は同じと違う場合の両方がある。

 なぜならローンは信販会社と販売会社の契約で組まれているので、販社が違えば金利内容も異なるからだ。ただし、ディーラーには営業範囲が定められている場合が多いので、あまり遠方のお店では買えない場合もある。

■ひとつのディーラーで自動車ローンはいくつか選べますか?

 ひとつのディーラーでもローンは選べる場合が多い。大半のディーラーは複数の信販会社と契約しているからだ。また金利などの条件も異なる。

 このへんのローンの話は営業マンがよく知っているので相談してみるとよい。

 審査にパスしにくい場合、ほかの信販会社を薦められパスする場合もある。頭金の条件に差が生じたりする。同じ信販会社でも販売店の取引実績で条件が違ったりするケースもある。

■銀行などの自動車ローンと、ディーラーの自動車ローンでは審査の厳しさは違いますか?

 銀行などの自動車ローンとディーラーで扱っている自動車ローンは違うと考えてよい。一般的にはディーラーのほうが通りやすい。

 ただ当該金融機関と日頃から付き合いがあり預金がしてあったりするとローン審査はパスしやすい。しかも、その預金口座の金額が多いほど条件はよくなる。

 ただし、ディーラーローンは実績があり滞納経歴がなければ「即パス」しやすい。

■売るときに損しないボディカラーってなんですか?

 ボディカラーは、ホワイト、ブラック、シルバーがほかのボディーカラーよりも圧倒的に人気が高い。

 これは中古車価格が高く手放す時に高く売れるためといわれている。

 また購入する時の有料のオプションカラーも高く売れる確率が高い。

 ただ初登録から6年以上経過、あるいは走行10万km超えになると損得の差は極端に小さくなる。

■OEM車を買うか、元々のクルマを買うかどっちがお得ですか?

 ケースバイケースで格差が生じる。一般的には元々のクルマのほうが好条件で買える確率が高い。時には逆になったりする。OEM車のほうはブランドパワーが弱いので、値引きでカバーするケースもある。手放す時OEM車は買い取り額が低くなりやすいので要注意。中古車価格が安い傾向が強いためである。

■「新古車」を買うにはどうすればいいの? ディーラーでも買えるの?

 一般的に新古車と呼ばれる未使用中古車は専門店、中古車店で売っているケースが多いので、そこに出向いて探すといい。未使用車は郊外にある中古車街に多く見かける。軽自動車などの未使用車専門店などもある。

 またディーラーでも中古車を扱っている場合が多く、売れ残りの在庫車、展示車などが新古車として流通する場合もある。

■町の修理工場でもクルマが買えるところがありますが、そこで買うメリットって何?

 正規ディーラーと業者販売契約を結んでいるところで買える。自動車メーカーとの縛りがない分、自由であり時には販売店の値引き額より幅が大きいケースもある。

 また定期点検や車検料金が安くアフターケアで得する場合が多い。

■担当営業によって値引き額は違うのですか? 偉い人のほうが値引き大?

 大きな違いがある。ショールーム担当の女性営業マン、一般の男性営業マン、セールスマネージャー、店長、営業本部長とポジションが上がっていくにしたがって値引きの決済権の枠が拡大する。

 最高の「営業本部長決済」までいくのが理想だが、こちらは滅多にないケースだから期待しないほうがいい。

 ただ店長決済はよくあるケースだからチャレンジする価値はある。

 また週末のフェア日は店長が各店舗にいるケースが多いので活用しやすい。

 それにベテラン営業マンは実績があるので、毎月のノルマを早く達成する目的があるため、店長に近い値引き枠を持っていたりする。

 逆にノルマが達成できない営業マンは月の下旬に近づくにつれクルマを早く売らなければならなくなり焦るので、その時にうまく出くわすと短期間に店長決済で大盤振る舞いとなったりする。

 よってこの場合、狙い目は月末となる。

店頭に並ぶ新古車

■営業マンが「この人は値引きが薄くても大丈夫だ」とお客を見て判断するポイントは?

 気が弱く交渉がうまくないと思われるユーザー、条件次第ですぐにでも契約書に署名捺印するというスタンスの人などが該当する。

 おとなしくても意外に粘り強いユーザーは値引きが薄い条件だと納得してくれないケースが多いとみている営業マンは意外に多い。

■最近の新車は納期が長いような気がします。どうしてですか?

 これまで多くの販売店は3カ月先の需要を予想して各量販モデルのグレード、ボディカラー、オプション装備品を付けた状態で自動車メーカーに生産をして貰うための発注をしていた。これをトヨタ、日産、ホンダなどの一部モデルについては販売先が決まってから発注する方式に切り替えていることで納期が長引いている。

 メーカーや販売店の在庫を持たないことで在庫金利をかからなくするといった経営改善を行っているためだ。

 見込み生産の廃止はメーカーの車種によって異なるので納期にも格差が生じている。

■納期をなるべく縮めたいのですが、どうすればいいのでしょうか?

 納期の短いクルマを選んで購入する以外に方法はない。新型車効果で納期が長引いている人気モデルは受注が集中し生産が間に合わないために、納期が長引く傾向がある。時間が経過すれば、バックオーダーを解消し納期は短縮するはずだ。

 こうした場合は購入契約するのを先延ばしし、しばらく待つのもひとつの方法といえるだろう。

 同じ車種を扱っていても法人の違う販売店だと在庫を持っていたりして納期を早めることも可能である。

■納期の早いディーラー、遅いディーラーってあるのですか?

 販売店は法人ごとに別々にメーカーに生産希望の車種を発注する。同じ車種でもグレード、ボディカラー、オプションの発注内容が異なる。在庫の量も違うので納期にも差が生じる。ただしメーカーが車種を決めて受注してから組み立て納車する方式を採用している車種だと納期は同じになったりするケースもある。

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 以上、遠藤徹氏が21の質問に答えてくれました。どうぞ、クルマ購入の際のご参考に!

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