■グーグルが買収した「Waze」も面白い!
冒頭で述べたグーグルマップのスピード違反取り締まり情報だが、実はグーグルが2013年に買収したソーシャルカーナビサービス「Waze(ウェイズ)」が実現した機能。
このWaze、日本でも利用することが可能で、スマホに入れておくとグーグルマップ以上に充実した機能を使うことができる。
一番ありがたいのは取り締まりはもちろん、ルート上の渋滞や天候、事故情報などをリアルタイムで把握できること。
これはWazeの利用者が自車の車速を共有し、天気や事故情報を投稿できるために可能なことで、場合によっては「右車線で事故。左側走ったほうが早い」といった詳しい道路状況を知ることができる。このほか、指定どおりのルートを走るとポイントが貯まったりする工夫もあり、地味に楽しい。
唯一、このWazeで残念なのは、日本の利用者が少なくて「全国どこでも便利」とはいい切れない点。気になる人はぜひ使ってほしい!
■日本におけるグーグルマップの現在とこれから
(TEXT/編集部)
おさらいしてみよう。まず、なぜ日本国内のグーグルマップに不具合が生じるようになってしまったか。これは先述の通り、地図データの提供を受けていた株式会社ゼンリンとの提携関係を「終えた」ことによると思われる(この件について両社からのコメントはでていないようだが、いままで地図にでていたゼンリンの名前がなくなっていることから、提供がなくなったこと自体は間違いないようだ)。
では今現在、グーグルマップのデータはどのように生成されているのか。
これについては、おなじみの「グーグルカー」によって地道に集積してきたデータはもちろんのこと、どうやら「プローブ」と呼ばれるデータが使われている、という見方が強まっている。
「プローブデータ」とは、ざっくり説明すれば、ネットを介して集められるあらゆるデータ(ここでは人やクルマが通行したデータがその中心になるだろう)を参照し、それを元に地図を作っている、といえばわかりやすいだろうか。
いままであった道がなくなったり存在しない道や湖ができたり、といった点については、集まってきたデータに対する分析能力がまだまだ甘いためだと考えればしっくりくる。
では、これから日本のグーグルマップが、冒頭で紹介したようなオービスの情報がわかるようになるまで「進化」をするかどうか、だが、ゼンリンとの提携解消がどのような経緯によるものなのか不透明なため、日本での進化はすこし遠回りになってしまったのかもしれない。
しかしそこは天下のグーグルのこと。これからどのように巻き返していくのかを、期待しながら注視していきたいと思う。
【番外コラム】地方の給油難民を救う浜松市の意欲的な実験
●タンクローリーからの直接給油を実現!
近年、ガソリンスタンドの閉店が相次いでいることはご存知のとおり。今後、内燃機関のクルマがじわじわと減っていくことに加え、2011年の消防法改正で、地下タンクのガソリン漏洩防止が義務付けられた点も、コスト増大を招いてこの流れを加速させた。
ガソリンスタンドの減少が、特に地方の暮らしに深刻な影響を与えることは政府も承知していて、経済産業省は設置条件などの規制緩和に取り組んでいるが、静岡県の浜松市が、いち早く具体的な実証実験に乗り出した。
浜松市は、南の臨海部にこそ都市圏を抱えるが、天竜川沿いなど市域の65%は中山間地域で、ガソリンスタンドの廃業が相次いでいる。そこで、期間限定ではあるが、タンクローリーから給油できる臨時給油所を設置してみようということになったのだ。
●自治体と元売り各社で巡回サービスを作ろう
この実証実験、本来ならば禁止されているタンクローリーからの給油を、災害発生時だけ認める特例を転用して行われたもの。実際にはタンクローリーからクルマへ直接給油するわけではなく、タンクローリーから移設可能な計量機を介して行う。
ユーザーからしてみれば通常の給油と同じスタイルで給油ができるわけだが、今回は監視員を付けたり、給油中はクルマから乗員を降ろすなど、決まりを設けたようだ。
しかしこの実証実験、過疎地や山間地の給油所対策としては非常に有効だと思われる。自治体と石油元売り各社がタンクローリーの巡回ルートを作り、定期的にタンクローリーが訪れる給油サイクルができれば、過疎化や高齢化が進む地方の支えとなるはずだ。
経済産業省はぜひこの実験を契機として、全国的な普及に取り組んでほしい。
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