■さらに全幅拡大の予感!! されど居住性アップならず!?
そしてSUVが高い人気を得た一番の理由は、外観のカッコ良さや運転の楽しさと、快適な居住性、余裕のある荷室などの実用性を両立させたことだ。
CX-60はCX-5に比べて、カッコ良さと運転感覚では注目されるが、実用性は見劣りする。両車は一長一短だから共存も可能になった。
言い換えれば、CX-60と引き替えにCX-5を廃止すると、ラインナップに不足が生じる。そこはCX-8とCX-80も同様だ。CX-8はCX-80を投入した後も必要な商品だろう。
新型CX-80はCX-90をベースに開発されるから、全長は5100mm、ホイールベース(前輪と後輪の間隔)も3120mmと長くなりそうだ。問題は全幅で、CX-90は北米仕様だから1970mmに達する。
これをCX-60と同じ1890mmに抑えられるのか。マツダのある関係者は「CX-60よりも少しワイドで、1900mmを超える可能性もある」という。仮にそうなると、CX-8の1845mmと比較したら、70mm前後は広がってしまう。
そしてCX-80の全長がCX-90と同程度なら、5100mmだからCX-8との差は175mmだ。
これはCX-60とCX-5の違い、即ち165mmに近いため、後輪駆動の採用に伴うボンネットの拡大に費やされ、室内はあまり広がらないかも知れない。そうなるとCX-60とCX-5が併売されているように、CX-80とCX-8もその必要がありそうだ。
■乗り心地極上仕様か!? 本命は新型CX-80だった
結局のところ、日本でCX-80が堅調に売れるか否かは、全幅によるところが大きい。日本ではCX-60の1890mmが限界で、1900mmを超えると一気に売りにくくなる。
仮にCX-80の全幅を1890mmに抑えられると、商品力に対する期待も高まる。CX-60では、4WDの乗り心地の硬さが指摘されたが、CX-80のホイールベースがCX-90と同じ3120mmとすれば、CX-60よりも250mm長い。
足まわりの設定も3列シートSUVに相応しいものになるから、ステアリング操作に対する反応がCX-60に比べて穏やかでも、乗り心地は大幅に向上する。
つまり後輪駆動の本命はCX-80で、CX-60はスポーティなショート版に位置付けられる可能性もある。そうなればCX-60の機敏な操舵感と硬めの乗り心地も納得できるだろう。
ちなみに2023年1~6月におけるCX-8の1か月平均登録台数は1424台であった。
売れ筋価格帯が350~450万円の高価格車では堅調だが、CX-8とCX-80の二本立てにすると、両車の売れ行きが不足して共倒れになる可能性がある。
そこで本来なら両車を共存させて欲しいところだが、現実はCX-80を発売する代わりにCX-8は廃止されてしまうのだった。
■素ディーゼルは430万円!? CX-60よりちょい高めに
新型CX-80では、価格が大切だ。CX-8に2.5Lノーマルガソリンエンジンを搭載する25Sスマートエディションは、332万3100円になる(300万円を下まわる25Sは装備が乏しく推奨できない)。
それがCX-80では、プラットフォームの上級化などにより、同等の装備を採用する2.5L搭載車が370万円前後だろう。
直列6気筒3.3Lクリーンディーゼルターボ搭載車は、ハイブリッドの機能を備えないタイプでも430万円くらいに達すると思われる。
この価格はベーシックな仕様だから、装備の充実する売れ筋グレードは、さらに40万円ほど高まりそうだ。
ガソリンエンジンが410万円、ディーゼルは470万円の水準だ。以上のようにCX-80をCX-8の後継として投入するなら、全幅を1900mm未満に抑えて、価格もなるべく安く抑える必要がある。
【画像ギャラリー】カッコよすぎるけどデカい!! 新型CX-80の元となるクルマがコレ(9枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方逆にハリアーの4割も売れていることのほうが驚きなんだが。マツダの販売力で。だってハリアーと2台すれ違ったらCX-60と1台程度出会うくらいの割合だぞ。なんか間違えてないか
新規プラットフォームで今時ディーゼル主体の人を選ぶ設計思想で、あのトヨタのハリアーの四割も売れてるのか、と普通なら思うのでは…?
いきなりトヨタのSUVのシェア奪う超新星登場を期待していたのなら読みが甘いとしか
ハリアーの4割しか売れていない・・・
販売力の差は全く考慮しないんですね。
ストーリーを作るための数字遊びですね。
大型SUVを欲しがる層には、もはや車幅なんかどうでもいい。どんな物でも余裕で停められるスペースを確保している、建屋も広大な一軒家を所持する富裕層だからだ。(羨ましい…)
であるならば、そんな人達に訴求するには、更なるプレミア性が求められる。単純なCX-60拡大版では物足りなく思われるかもしれない。そこを見誤ったら、CX-80は失敗し、CX-8の終売でダブルパンチを喰らうこととなろう。
CX-5が出た当時全幅1800mm超は大きすぎると散々書かれたものの、ベストセラーに。その後続々と出る競合は同等かさらにワイドでも、誰も大きすぎると書かなくなった。欧州勢は軒並み1900mmに迫り、レクサスRXは1920mm。アルヴェルは全長4995mm。
ライバル不在のフル3列シートSUVでマツダが2車種持つ意味はないでしょう。