CX-8の終売が確定となった。質感の割に300万円台前半~と超バーゲンプライス。しかも3列シートかつSUVと今が旬!! といっても過言ではないモデルであった。後継モデルは出るモノの、この価格。そして内容を考えると、ホントに終売していいのか!?
文:渡辺陽一郎/写真:ベストカーWeb編集部
■新型CX-80は全幅1970mmのCX-90ベース……デカすぎやしないか
マツダは2012年に、魂動デザインとスカイアクティブ技術に基づく初代(先代)CX-5を発売。その後も世界的な流行に沿って、SUVに注力中。マツダは国内でOEMを除くと10車種を販売するが、この内の6車種をSUVが占める。
そしてこれから登場するマツダの新型車にCX-80がある。CX-60と同じく、エンジンを縦置きにした後輪駆動のプラットフォームを使う3列シートのSUVだ。
つまりCX-60のロング版といえるが、実際の開発では、北米で販売されるCX-90の幅を狭めた仕様にする可能性が高い。
マツダでは3列シートのSUVとしてCX-8も用意するが、これもCX-5のロング版ではなく、北米で売られるCX-9の全幅を狭めて開発されていたのだ。
新型CX-80の導入について販売店に尋ねると「CX-8は2023年12月に生産を終える予定だ。現時点(2023年9月上旬時点)では受注しているが、年内に生産する台数に達した段階で終了する。この後、CX-8と入れ替えに新型車のCX-80を導入するが、その時期はメーカーから聞いていない」。
このコメントから分かる通り、CX-8は新型CX-80の発売前に生産を終える。CX-60はCX-5と併売されているが、CX-8とCX-80はそうならないのだ。
■CX-60伸び悩み中……最大の要因は全幅か!?
そこで気になるのが、CX-8をCX-80に切り替えて大丈夫か? ということだ。CX-60の発売は2022年だから設計が新しいが、販売は好調とはいい難い。
2023年1~6月の1か月平均は2917台で、新型車なのにハリアーの約40%だ。CX-5よりは多かったが、2023年7月の登録台数は、順位が逆転してCX-5よりも少ない。
なぜCX-60の販売は伸び悩むのか。販売店に尋ねると「CX-60は全幅が(1890mmと)ワイドだ。そのために運転しにくいとか、車庫に収まらないという理由で、購入を諦めるお客様もいる。またダンナさんが購入に乗り気でも、奥様の許可が出ないこともある」。
CX-5も全幅が狭くはないが1845mmだ。それがCX-60の1890mmになると、確かに印象が変わる。
CX-60を試乗した時に、量販店の駐車場に入れてみると、車庫入れに加えてドアの開閉にも気を使った。
またCX-60の全長は4740mmで、CX-5の4575mmに比べると165mm長いが、車内の前後方向の広さに大差はない。
CX-60はエンジンを縦向きに搭載する後輪駆動車だからボンネットが長く、全長が伸びた割に、室内の前後長には差が生じないのだ。
つまりCX-60の実用性はCX-5に近いのにボディは大きい。特に全幅の違いは、街中の運転感覚や駐車のしやすさ、乗降性に大きな影響を与えるからシビアに判断される。
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