普段気にすることはあまりないけれど、家電製品などをよく見ると品番に始まり、使用時の注意に関係するものなど、いろいろな数字が記載されている。
これはクルマも同じで、近づいて細かく見てみると、数字がたくさんあることに気づく。
はたして、これらの数字は、どのような意味があるのだろうか? その意味がわかると、もっとクルマが楽しくなる!
文/永田恵一
写真/ベストカー編集部
初出/ベストカー2019年5月26日号
■コーションプレート
クルマの型式や車体番号などが記されているコーションプレート。日本車では、助手席側Bピラーの付け根に付いていることが多い。
CX-5の場合、「MODEL&型式」はザックリ言うと排ガス規制の識別番号と、そのクルマに搭載されるエンジン(駆動方式も区別する場合もある)を表す。
写真の左上の「5BA」は、「5」は平成30年排ガス規制値を50%低減、「B」はガソリンかLPGの非ハイブリッド、「A」は用途と重量条件などを表しており、「A」だと乗用車の平成17年規制のディーゼル車以外を意味する。
「KF5P」はCX-5のターボを含む2.5Lガソリンエンジン搭載車を表す。「PAINT」はボディカラーで、「46V」は7万5600円のオプションとなるソウルレッドクリスタルメタリックのこと。
この「46V」の部分はカラーナンバーと呼ばれていて、タッチペンを買う時などに控えておくと便利だ。続く「G8C」はマツダの場合はグレードで、25T Lパッケージを意味している。
「車台番号」は文字どおりそのクルマの製造番号。マツダ車の場合、先頭の「3」は「2回目の改良を受けたその世代のクルマの3番目のモデル」という意味で、そのあとに製造番号が続く。車台番号は車庫証明の取得や保険の加入の際などに使う。
■輸入車のVINコード
アメリカ車と欧州車は日本車のコーションプレートと同じ存在のVINコード(シリアルナンバー)と呼ばれる17桁の個体識別番号を採用している。
メーカーにより若干の違いがあるものの、基準に合わせて最近では概ね共通している。(年式コードは共通)。
17桁のなかにはさまざまな情報が入っており、国産車でいえば車検証の年式・類別区分番号・型式指定番号・車台番号の情報がすべて入っているようなコードとなる。
VINコードはフロントガラス内側のダッシュボード(左運転席側)もしくは、左側運転席ドアを開けたドアヒンジのBピラーコーションステッカーに記載されている。
17桁の数字は意味は以下の通り。
●1桁目/生産国
●2桁目/製造メーカー
●3桁目/クルマのタイプ(乗用車・トラック・クーペなど)
●4桁目/クルマのタイプ(ドアの数・2WD・4WDなど)
●5桁目/エンジン
●6桁目/グレード
●7桁目/安全装備の種類
●8桁目/プラットフォームの種類
●9桁目/チェックディジット(Check digit)シリアルナンバーが正確なものかをチェックする記号
●10桁目/モデル年式
●11桁目/どこの工場で作られた?
●12桁目/12桁目~17桁目製造連番
1桁目の生産国は1/アメリカ、W/ドイツ、J/日本、V/フランス、Z/イタリアというふうに数字とアルファベットで判別できるのようになっている。
正確には1桁目単体で生産国を表しているわけではなく、1~3桁目で生産国・製造メーカー・製造部門などを表しているが、1桁目だけで判断が可能な場合も多い 。
10桁目の製造年はVINコードが始まった1981年製造以降、1981年/B~2020年/Lというふうに製造年数がアルファベットで示されている。なお、 年式コードにはI・O・Q・U・Zと数字の0は使用されない。(モデル年式コード以外の16桁の部分にも1981年以降はI・O・Qは使われない) 。
■タイヤには記載される数字がいっぱい
タイヤも数字で記載される情報が多いパーツだ。まずはタイヤの製造時期。「3818」といった4桁の数字で製造週が記載されており、「3818」だったら2018年の38週目(9月17〜23日)の製造と意味 となる。
一緒に記載されることも多い「MAX LOAD」「MAX PRESS」というのは、前者がタイヤ1本あたりの最大荷重、後者が最大空気圧(Never Exceedのあとに数字も同じ意味)なので、記載以上にクルマの総重量を重くしたり、タイヤに空気を入れるのは厳禁だ。
タイヤに「E4」という記載を見つけたら、これはETRTOと呼ばれる欧州の規格をクリアしたタイヤを意味する。
タイヤ交換の時にE4マークのあるタイヤにしたら、クルマの指定と空気圧が異なる場合があるので、タイヤ屋さんに相談しよう。
「TREADWEAR」という文字を見ることもある。これはアメリカで規定される耐摩耗性の指数で100が基準となる。そのため300と記載されていたら長寿命タイヤということになる。
ちなみに、アメリカではTRACTION(駆動力)、TEMPERATURE(耐熱性)も規定されていて、このふたつはアルファベットで評価され、日本で販売されるタイヤにも記載されていることがある。
最近は「S2WR2」という見慣れない記号が付くことが増えている。これは現在の国際的なタイヤ単体の騒音規制をクリアしている証明で、日本でも新型車には2018年4月から義務づけられていて、特にスポーツ車には厳しくなっている。
■タイヤ指定空気圧のラベル
クルマの安全運行にとても重要なタイヤの指定空気圧は、日本車なら右のドアを開けたところにあるシールに記載されるので、タイヤが冷えている出発前を基本にマメに確認しよう。
輸入車の場合は、給油口の裏のシールで指定されているケースも多い。また輸入車は2名乗車や4名乗車+手荷物といった具合で細かく指定されていることも多いので、出発前の給油の時にでも指示どおりに調整してもらいたい。
ちなみに、スタッドレスタイヤは指定どおりの空気圧にすると雪道での性能が落ちることがあるので、指定空気圧が高いクルマの場合はタイヤ屋さんに適正空気圧を確認しよう。
■フロントガラスの謎の文字は?
ガラスの刻印の意味に詳しい人は少ないだろう。CX-5に装着される日本板硝子の場合、「DOT23」はDOT=アメリカ運輸局で、日本板硝子がアメリカ運輸局で23番目に登録されたメーカーという意味。
JISマークの上の「L」はLaminateの略で、ガラスとガラスの間にフィルムが入っており粉々に割れない合わせガラスのことだ。
「AS1」はAmerican Standardの略で、「1」はクルマのどの部位にも使える性能を持つことを表す。
右下の「M41D」の「41」は、「4」が4㎜の厚み、「1」はグリーンのガラス色を意味し、「E6」はベルギーで認証されたことの証明。
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