12月1日に行われたNISMO FESTIVAL。昨年を超える28500人のニスモファンが富士スピードウェイに来場した。今年のテーマは「NISMOブランド40周年」。NISMOの歴史を支えてきた名車が多く登場し、様々なブースも賑わいを見せていた。雲一つない晴天でスタートしたイベントの様子をお届けする。
文・写真/西川 昇吾
■ロニー選手の引退セレモニー
今年のNISMOフェスティバルに多くのファンが詰めかけたのには、例年のNISMOフェスティバルとは異なる理由がある。それはSUPERGTで23号車をドライブするロニー・クインタレッリ選手の引退だ。2024年11月20日に発表されたロニー選手の引退は、NISMOファンにとって大きな衝撃であった。このNISMOフェスティバルは、彼がGTマシンで富士を走る最後の機会となったのだ。
ウェルカムセレモニーでもロニー選手の引退について触れられたが、そのあとのピットウォークでは多くのファンが、23号車のピットに詰めかけた。ファンサービスに定評のあるロニー選手だが、今日はいつも以上に手厚いファンサービスのように見えた。
フィナーレでは引退に先立ち、ロニー選手から挨拶がされた。迎え入れたのはこれまでコンビを組んだ経験がある、柳田選手、松田選手、千代選手の3名だ。柳田選手がドアを開けマシンを降りると、SUPERGTとの出会いから振り返り、ファンに感謝を伝えていた。その後、松田選手から花束が手渡された。感極まり、泣きそうな表情も見られた。
フィナーレが終わったあとも、ファンからのコールは止まらない。それに応えるかのようにロニー選手はグランドスタンド近くまで足を運び、ギリギリのタイミングまでファンからのコールに応えていた。日本のSUPERGTで、彼ほど愛された海外ドライバーは居ないだろうと感じた時間であった。
【画像ギャラリー】往年の名車が富士スピードウェイを爆走!! 大盛況「ニスモフェスティバル」の様子をギャラリーでチェック(20枚)画像ギャラリー■体験コンテンツが多い日産自動車大学校
NISMOフェスティバルはタイヤ交換体験やコクピットライドなど体験コンテンツが多いのが特徴だ。そんなNISMOフェスティバルらしく、体験コンテンツを多く提供しているブースがあった。それがKONDO RACINGとのタッグで、モータースポーツファンにとってはお馴染みの存在となった日産自動車大学校だ。
自動車のメカニズムや仕組みを学ぶことが出来る体験展示コンテンツは、子供だけでなく大人も興味深々の様子であった。多くの子供がタイヤ交換体験などのコンテンツを楽しんでいて、自動車整備に興味を持つ第一歩の場となっていた。
また学生たちがカスタムしたカスタムカーも展示。今回はK11型「マーチ カブリオレ」をベースにSR311フェアレディをオマージュした「I’m march」と、ムラーノをベースにフェアレディZをオマージュした「Fairlady X」だ。どちらもその完成度の高さに来場したファンは驚いていた様子であった。
【画像ギャラリー】往年の名車が富士スピードウェイを爆走!! 大盛況「ニスモフェスティバル」の様子をギャラリーでチェック(20枚)画像ギャラリー■近藤監督もブースに足を運んだ!
そしてイベント当日の朝、モータースポーツの現場で日産自動車大学校とタッグを組んでいるKONDO RACINGの代表である、近藤真彦監督がブースに足を運んでいた。近藤監督は以前から「Fairlady X」が気になっていたようで、「いや~これ見たかったんだよねぇ」と細部をチェック。灯火類だけではなく、ボディラインも意識した造り込みにはほれぼれしている様子であった。
ブースから立ち去る前に日産自動車大学校のポスターへサインを書く場面もあった。KONDO RACINGにとっても日産自動車大学校は無くてはならない存在なのだろう。
その他、レーシングコースではサニーによるNISSANヒストリックカーエキシビションレースに、グループAやル・マン、グループCを戦ったマシン、そして歴代のNISMOコンプリートカーが走行するNISMOヘリテージランなどが行われた。まさにNISMO40年の歴史を感じられる走行であった。
悪天候による延期のため、SUPERGTの最終戦を残してのNISMOフェスティバルであったため、現役のSUPERGTマシンがレーシングスピードで走行するコンテンツはなかった。しかし、NISMOの歴史を濃厚に感じることが出来る1日となっていた。
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