■1週間に一度はエンジンをかけて最低30分は走らせたい!
このようなクルマの倦怠感、筆者も実際に経験している。締め切りの関係で、1~2週間クルマに乗れないことがたまにある。
このようなときの最初の走り出しはエンジンの回りが重く、突然のトラブルに見舞われるケースも多いのだ。
このため、「長期間、乗らずに置いておくなら1週間に1度くらいはエンジンをかけたほうがよい」と、よく言われる。
これは正しくもあり、間違いでもある。エンジン以外の足回りなどのリハビリも必要で、実際に走らせなければ意味がないからだ。
だからといって、ただ走ればいいというものでもない。エンジンオイルには燃焼室から吹き抜けた燃焼ガスも混ざり込むため、十分暖まって燃焼が安定する前にエンジンを止めてしまうと未燃焼ガスが混入。
これはエンジンオイルを劣化(粘度が低下する)させることになるので、近所への「ちょい乗り」はクルマのためにはならない。
1週間以上動かしてなかったら最低30分、距離にすれば往復15㎞、片道6~7kmくらいは走らせる必要がある。
■長持ちさせるためにはどれくらいのペースで走らせればいいのか?
では、長持ちさせるためにはどれくらいのペースで走らせればいいのだろうか?
筆者は過去に、昭和モデルのカリーナサーフで18万㎞、平成初期のレガシィで28万㎞走破した。2車種ともに、コンディションを維持するために細部までかなり手を入れる必要はあったものの、コンスタントに走らせていたため末期まで調子よく走ることができた。
この際の年間走行距離は平均「2万km」。週に2~3回、1日で往復200km弱。多い日にはその倍くらい走るという状況で、近場でも少なくとも15~20kmは走らせていた。1日平均すると50~60kmだ。
現在、平成中期のモビリオに乗っており、年間走行距離は「1万5000km」と若干、減ったものの18万kmを突破して、ドライブシャフトブーツは健在。ウォーターポンプも新車時のままで、水漏れ1つなし。ホイールベアリングも前後ともまだ1度も交換していない。オルタネーターもキッチリ発電。
フットブレーキも一切オーバーホールしていない(ブレーキフルードは2年ごとに交換している)ものの、末端までキッチリ油圧がかかる状態を維持している。サスペンションもフワ付くこなく、路面の衝撃をキッチリ吸収する。
これら各部の耐久性、平成初期までのクルマとは比較にならないほど格段に向上。油脂類とタイヤ、バッテリー、スパークプラグ、ブレーキパッドといった消耗品のみの交換で済んでしまっている。
このように耐久性が格段に増している近年のクルマであれば「年間1万5000km」。「1ヶ月1250km前後」を目処に、あまり日数を空けることなく(長くとも1週間)コンスタントに走らせれば、一定のコンディションは維持できるだろう。
ただし、油脂類と消耗パーツの適切なサイクルでの定期交換は必須で、これが絶対条件となる。
また、長持ちしたとしても、スムーズに気持ちよく走れなければ、乗っていてストレスが溜まるため、走らせ方にも注意が必要だ。
例えば、エンジン回転を抑えてトロトロと走るだけで、アクセルをガバッと開ける走りをしなかったクルマのエンジンはヘンな回り癖がつく。
回さずにいると燃焼室内にカーボーンが堆積してやすくなるからで、吹け上がりがもたつく感じとなり、高回転域の伸びも悪くなってくるのだ。
無理な負荷をかけなければ回したことが原因でエンジンがヘタることはないので、たまには目一杯、引っぱって加速するなど、メリハリのある運転をすることが大切だ。
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