【洗車機メーカーに突撃取材!!】今クルマを洗うには「洗車機が一番!」の理由とは?

■洗車機はこんなにクルマに優しくなっている

「スライドリアルアクションサイドノズル」。強力なブロー(乾燥)でボディサイドの水滴を吹き飛ばす。加えて、ノズルが左右にスライドする機構によって全幅が異なる車種に対応。0~300mmほどの間でスライドする
「スライドリアルアクションサイドノズル」。強力なブロー(乾燥)でボディサイドの水滴を吹き飛ばす。加えて、ノズルが左右にスライドする機構によって全幅が異なる車種に対応。0~300mmほどの間でスライドする

 さて、読者にとっても一番気になるのは洗車機と手洗い洗車との比較だろう。短時間で済ませられるのは当然洗車機だが、それ以外で洗車機のメリットを聞いてみた。

 クルマを手洗いする場合は泡立てたスポンジでいきなりボディを洗うのはダメだというのはご存じのとおり。

 キズが付く原因の多くはボディに付いたホコリであり、スポンジで洗う前に水をかけて取り除くのだが、実は洗車機でも同様なことが行なわれている。

「洗車機ではスタート時にボディに水をかけて、表面の砂やホコリなどを洗い流しています。

 さらに、洗った後はノズルから圧縮された空気を噴射して水滴を吹き飛ばすので、拭き上げ作業がとてもラクです」(森稔明グループ長)

 つまり、洗車に慣れたユーザーが行う手洗い洗車のセオリーを採り入れていて、それを誰でも享受できる点が最大のメリットといえるだろう。

 なお、汚れがひどい場合は洗車機で洗う前に高圧水洗浄や泡洗車したほうが良いそうだ。

ボディのリアからルーフ、そしてフロントにかけて移動しながらブローする「チルトトップノズルシステム」。注目はリアスポイラーがある車両でもノズルを回転させて水を吹き飛ばす
ボディのリアからルーフ、そしてフロントにかけて移動しながらブローする「チルトトップノズルシステム」。注目はリアスポイラーがある車両でもノズルを回転させて水を吹き飛ばす

■洗車機でガラスコーティングも簡単にできちゃう!

 水洗いやシャンプー、それにワックス、コーティングまで行ってくれる洗車機だが、最新の洗車機はもっと進んでいる。

 防汚・撥水効果の高いガラス系のコーティングまで可能としているのだ! 光沢や耐久性も向上しており、クルマの保管状態にもよるが、ガラス系コーティングなら1回で約1カ月程度は効果が持続するという。

ガラス系コーティング「クラスコートサラ」では、水玉を滑らせる性質も持たせており、水はじき効果に優れている
ガラス系コーティング「クラスコートサラ」では、水玉を滑らせる性質も持たせており、水はじき効果に優れている

■手洗い洗車専用のシャワースピナー

 ここまで紹介した洗車機とは異なるタイプの「シャワースピナー」。まさか手洗い洗車を機械が行うのかと思ったがちょっと違う。

 これは手洗い洗車ををウリにしているガソリンスタンドに設置されている手洗い専用機だ。

 洗車スタッフが手洗い洗車をする際に補助するもので、ノンブラシタイプで高級感のある手洗い洗車を演出。

 クリーマーの特殊な泡は、他には真似のできないクリーミーな質感でボディに定着し、手洗い作業がスムーズに行える。ダイフク独自の高圧スピンノズルによる洗浄と高級泡洗浄を行う。

①②高速回転するスピンノズルを採用。ノズルはモーターではなく水流で回転させているという。③ボディ全体に泡を降り注いでスタッフが手洗いを行なう。④上部にあるスライドレールでノズルが前後することで、ボディ全体をムラなく洗い流している

■進化した洗車機のポイントはセンサーと節水能力、静音性

車形装備品自動認識システム「シェイプ・ナビⅣ」では、ひとつのセンサーから3つのビームを送るのでビームの数は238本。さらに、16段階で検知するようになっているので、合計すると3808本相当の解像度で検知していることになる

 ここまで洗車機のスゴさを紹介してきたが、まだまだ驚いてはいけない。続いては洗車機の先進技術について紹介していこう。

 一番の進化はセンサーだ。洗車機内部に3808本相当のビームを用いて、ボディの形状を正確にスキャニングすることにより最適なブラッシングを実現。同時に、水やシャンプーが出るタイミングも最適な時に出るようになっている。

 さらに目を見張るのは、ブラシの角度が傾斜をしてリアスポイラー下部の洗い残しをなくしているのだ! 

 また、水量についても手洗い洗車と比較した場合、大幅に少ない。例えば自宅で20分間、水を出し続けると400L程度使うというが、洗車機では洗車コースにもよるが、1台洗うのに40Lほどで済むというのだ。

 静音対策にも力を入れており、従来では洗車機の前で会話をするのもままならなかったのだが、静音システムを搭載した洗車機では会話も容易に。

 同システムではブロー周りにカバーを付けたうえ、カバーには吸音材を使用。ブローのノズルにも吸音材を使っている。「洗車機の前で会話できるレベルを目標に開発した」という。

センサーは洗車機内部の左右に設置しており、普段は汚れがつくことはないように隠されている
センサーは洗車機内部の左右に設置しており、普段は汚れがつくことはないように隠されている
 ブラシが傾斜して回転する傾斜&分割サイドブラシ「ダブルアクションI.B.S」。①サイドブラシは分割の高さを左右で変えることで、車高の高さが違うあらゆる車種に対応。②ワゴンタイプだと右のブラシが可動してリアスポイラー部分をブラッシングする。③これまでブラシが届きにくかったリアスポイラー下部は15度に傾けることで洗い残しをなくしている。リアウィンドウの傾斜に合わせたブラシの傾きが分かるはず
ブラシが傾斜して回転する傾斜&分割サイドブラシ「ダブルアクションI.B.S」。①サイドブラシは分割の高さを左右で変えることで、車高の高さが違うあらゆる車種に対応。②ワゴンタイプだと右のブラシが可動してリアスポイラー部分をブラッシングする。③これまでブラシが届きにくかったリアスポイラー下部は15度に傾けることで洗い残しをなくしている。リアウィンドウの傾斜に合わせたブラシの傾きが分かるはず
洗車前にリアウィンドウへ汚れをつけておいてテスト。洗車後、リアスポイラー下まで汚れが取れているのが分かる
洗車前にリアウィンドウへ汚れをつけておいてテスト。洗車後、リアスポイラー下まで汚れが取れているのが分かる
 静音システム「クリスタルドライシステム」。洗車機は乾燥時に音が一番大きくなるのだが、その対策としてブロー周りにカバーを付けた静音システムを洗車機上部に搭載。ちなみに洗車機正面から10mの地点で-9dB音が小さくなっているという
静音システム「クリスタルドライシステム」。洗車機は乾燥時に音が一番大きくなるのだが、その対策としてブロー周りにカバーを付けた静音システムを洗車機上部に搭載。ちなみに洗車機正面から10mの地点で-9dB音が小さくなっているという

 本文が予想以上に長くなってしまったが、それほど中身が凄かったということだ。

 読者のみなさんも洗車機のスゴさが分かってもらえただろうか? 特にクルマを洗う工程はブラシで洗えないところはないというほど、クルマの形状を正確に捉えブラシの動作を徹底的に追求している。

 同時にブロー(乾燥)時は極力ボディに水滴が残らないよう工夫をしているのだ。その一方で新しい時代の洗車機として、スライディングバブルといった泡洗車システムで「魅せる洗車」を提供。

 クルマを洗いに来た、あるいは給油だけのドライバーに対して「クルマに気持ち良さそうな洗車」を提案しているのが伺えた。

 クルマの手洗い洗車は愛車へのいたわりも含め愉しいひと時でもある(最中にボディのサビやヘコミ、キズなど思わぬ発見もあり悲しくなる時もあるが……)。

 しかし、それよりも時間効率の良さもそうだが、洗車機ならではの高圧水洗浄や泡洗車を考えると洗車機の方が良いと、改めて感心してしまった。手洗い派の人もこれを見て洗車機のイメージが随分と変わったハズだ!!

コイン洗車場でよく見かけるバキュームクリーナーもダイフク製は静音タイプなのだ!
コイン洗車場でよく見かけるバキュームクリーナーもダイフク製は静音タイプなのだ!
 お近くのガソリンスタンドなどで当社の洗車機を是非ご利用ください!(森さん)
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