■「アルト47万円」を彷彿とさせる低価格で販売
軽自動車の魅力である“安さ”という点においても、ツインの魅力は際立っていた。エントリーグレードの「ガソリンA(5速MT)」は、パワステやエアコン、スピーカーといった装備を省いたことが功を奏して、車両本体価格をわずか49万円に抑えた。このプライスは、1979年に登場し、47万円という価格で話題になったアルトに迫るもので、当時としては国産車のなかでもっとも低価格だったと言われている。
とはいえ、パワステやエアコンといった快適装備が備わっていなかったため日常的な用途には少々不向きで、実質的な量販グレードは「ガソリンB(3速AT)」だった。こちらの価格は84万円とグッと高くなるものの、それでも新車で100万円を大幅に切って安さが際立っていた。
魅力は価格の安さだけではない。市販軽自動車として初めてハイブリッドシステムを搭載したこともツインのトピックのひとつだ。ツインに搭載されるハイブリッドは、エンジンとトランスミッションの間に薄型モーターを配置した軽自動車に相応しいコンパクトなもので、スズキが自社開発したシステムだ。
いわゆるマイルドハイブリッドで、加速時などエンジンに大きな負荷がかかるときにはモーターアシストが働き、負担を軽減することでエンジンの効率を高めて消費燃料を抑制できる。これにより、10・15モード燃費で34km/L(ハイブリッドA)というストロングハイブリッドに迫る超低燃費を実現している。
また、信号待ちや渋滞などの停止時にエンジンを自動で停止するアイドリングストップシステムを採用することで、CO2の排出量も最小限に抑えている。さすがにハイブリッド仕様の価格は129万~139万円と、軽自動車にしては高額となっていたが、搭載されるシステムがもたらす優れた経済性や環境性能は、価格に見合ったものと言っていい。
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