【ムラーノ、デュアリス、スカイラインクロスオーバー…】日産製SUVの消えた事情と復活可能性


■デュアリス(2007~2014年、一世代で消滅)

 2007年に誕生したデュアリス(キャシュカイ)は、ヨーロピアンテイストのある質実剛健としたデザイン、比較的小柄なボディ、優れたNVH、そしてしっとりした走りを実現していたクロスオーバーSUVである。

 それまでの日産は、欧州市場において、Cセグメントのプリメーラやアルメーラなどの中型サイズのハッチやセダンを主力としていたが、Cセグメントの支配車「GOLF」をはじめ、並みいる競合の前で販売を伸ばすことができなかった。そこで日産が次世代Cセグメントの主力として注目したのが「小型のSUV」だった。

 欧州ではキャシュカイとして2007年3月から、日本ではデュアリスとして5月から販売開始となったが、直後から欧州で非常に高い評価を獲得、販売も絶好調だった。

 この初代キャシュカイは、「工場では1分に1台が生産されている」とか、「英国で生産される車種として、最短で累計200万台を達成したクルマ(2014年)」として記録されており、日産の欧州でのプレゼンスを上げてくれた一台となった。なお現在のキャシュカイは2015年にモデルチェンジをした2代目で、2018年は欧州市場で23万台、一ヶ月平均で2万台も販売されており、いまだその勢いは衰えていない。

デュアリスの日本販売期間は2007~2014年。案外最近まで売っていて意外でした。当初の月販目標台数は2000台だった

【デュアリスが消えたワケ】
 これは日産の”戦略的撤退”だったと筆者は考える。兄弟車のエクストレイルとの顧客の食い合いになり台数を分割されるよりも、国内は前型から評価の高かった「エクストレイル」一本に絞ったほうが、メーカーとして販売台数増に貢献できると踏んだのであろう。兄弟車のエクストレイルに販売の基軸をおいたおかげか、エクストレイルの国内販売はその後も順調で、2018年には「4WD SUVの国内販売台数NO.1」を達成している。

■スカイラインクロスオーバー(2009~2016年、一世代で消滅)

 スカイラインクロスオーバーはもともと北米が主戦場である日産の高級車チャンネル「INFINITI(インフィニティ)」のクロスオーバーSUV「EX35」として、2007年に誕生。シャシーなどのコンポーネントはG35(日本名:スカイライン)と共用し、3.5Lの大排気量エンジンや7速AT、FR駆動とFRベースの4WDを用意し、G35のハンドリングと乗り心地の良さを持つ“小型のプレミアムSUV”と位置づけられたクルマだ。

 比較的コンパクトでスタイリッシュなボディスタイルで女性(奥様)をターゲットとしていた。日本市場には2009年に「スカイラインクロスオーバー」の名称で登場した。

 その後、INFINITIブランドの呼称統一を受けて「QX50」となった。2018年にモデルチェンジした2代目「QX50」は、2.0リットルVCRターボエンジンを積んだ新型「ミドルサイズSUV」に生まれ変わっている。

スカイラインクロスオーバーは、(「インフィニティ」の看板を背負っているからとはいえ)価格設定が高すぎたのでは…。現在の高級SUVブームにうまく乗っていればヒットしたかもしれないのに…

【スカイラインクロスオーバーが消えたワケ】
「クロスオーバーSUV」と銘打ったわりに、スカイラインクロスオーバーの荷室は狭く、値段も高かった(420万円~)。さらには燃費の悪い3.5Lエンジン仕様しか導入されない…スカイラインクロスオーバーは、“INFINITIのプレミアムカーをそのまま持ってきて「右利き仕様」に変更したクルマ”だった。

 そのため、日本の顧客には受け入れられず、当然販売も伸びなかった。せめて中国で出していた2.5リットルVQ25HR型エンジン仕様でもあればよかったのに、と残念でならない。

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