日本は自動車大国 なのになぜ旧車を大事にしないのか?

日本は自動車大国 なのになぜ旧車を大事にしないのか?

 日本人は昔から歴史のあるもの、古いものを大事にしてきた。
しか〜し、今のクルマ界はまったくその逆で、自動車税をはじめ古いクルマいじめが横行している。

 クルマ界から排除しようとしているとしか思えない動きが顕著だ。
なぜ自動車大国日本は旧車を大事にしないのか? その不思議を徹底調査する。


 平成27年度の税制改正に伴い、今年4月1日から自動車取得税、5月1日から自動車重量税が変わり、新エコカー減税制度がスタート。それに加え、軽自動車税もアップしたのはみなさんもご存じのとおり。そんななか、あまりクローズアップされていないのが旧いクルマへの増税だ。

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 まず、自動車税。平成26年度の地方税改正により、平成27年度から、ディーゼル車がこれまでの10年超から11年超に変更になり、13年超のガソリン車、LPG車と合わせて、平成26年度までの10%重課から、15%の重課に引き上げられている。

 例えば新規登録から13年超の1ℓ超〜1・5ℓ以下のガソリン車の場合、標準税率は年3万4500円、平成26年度までは年3万7900円だったが、今年4月1日以降からは3万9600円に引き上げられた。

 軽自動車税も新規登録から13年を経過した軽自動車は’16年度ぶんから、20%重課という厳しいもの。今年3月31日までは7200円だが来年4月1日からの’16年度ぶんは1万2900円と、増税前の1・8倍に跳ね上がった。

 自動車重量税については、平成25年度税制改正において18年超、平成26年度改正では13年超の税額が軽も含め、大幅に引き上げられている。

 そこで、なぜここまで旧車の税金を高くしたのかに迫ってみたい。

何を基準に13年超は増税となるのか?

 そもそも、なぜ13年を超えたクルマが重い課税をされなければいけないのか? 国交省自動車局や財務省主税局に聞いてみたが、なしのつぶて。ようやく辿り着いたのが総務省都道府県県税課の篠崎さん。

 「平成13年度に始まったグリーン化税制は、環境配慮型税制で自動車の環境負荷に応じて自動車税の軽課または重課が始まりました。環境に優しいクルマを増やし、環境負荷が大きいクルマへの重課が主な目的ですが、13年超となっているのは自動車の平均使用年数から決めています」

 たしかに自動車検査登録情報協会が発表した、新車登録後から抹消されるまでの期間を示した乗用車の平均使用年数を見ると重課される13年に近い12・64年。スクラップにして新車買い替えを促進させたエコカー補助金制度でも13年超のクルマが対象だった。

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 ただ、篠崎さんによれば、2年ごとに見直しされていて、現在、いろんな議論が交わされているそうだ。例えば13年超のクルマを所有しても走行距離が少なければCO排出量が少ない。日本はこれだけの自動車大国なのに、後世に日本の自動車文化を残すという観点からも反する。13年超の自動車税、自動車重量税を安くしてもお金持ちだけが得をして、あまり影響はないんじゃないか。欧州諸国のようなヒストリックカーへの優遇措置(後述)を見習うべき、などなど。

次ページは : ドイツには30年以上前の旧車対象の優遇措置がある

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