アルファードに愛称をつけるとしたら? クルマの愛称大まじめ研究!!

アルファードに愛称をつけるとしたら? クルマの愛称大まじめ研究!!

 テントウ虫、ダルマ、クジラ、ハコスカ、ケンメリ、鉄仮面と、クルマに愛称が付けられていた時代があった。

 しかし、今の時代、クルマには愛称をあまり付けなくなった。なぜなのだろうか? 

 その原因を探るとともに、もし現代のクルマに愛称を付けるとしたら、どんな愛称になるのか、大まじめに考えてみた。

文/清水草一
写真/ベストカーWEB編集部


クルマに愛称が付けられるのは人気の証?

スバル360はてんとう虫という愛称。VWタイプⅠはかぶと虫、初代フィアット500はトッポリーノ(ハツカネズミ)という愛称が付いた
スバル360はてんとう虫という愛称。VWタイプⅠはかぶと虫、初代フィアット500はトッポリーノ(ハツカネズミ)という愛称が付いた
初代セリカはそのふくよかなボディがダルマに似ていることからダルマセリカと呼ばれた
初代セリカはそのふくよかなボディがダルマに似ていることからダルマセリカと呼ばれた

  思えば、かつてはクルマに愛称が付けられることが多かった。もちろん全部ではなく一部のモデルに限られるが、とにもかくにも車名以外に愛称が付くというのは、それだけ世間がそのクルマに関心を抱いていた証拠だろう。

 たとえば、スバル360は「テントウ虫」。これは、ビートルがカブト虫と呼ばれたことから来ているが、カブト虫より断然小さくてかわいらしいけれど、かなり相似形という、実にツボを突いたネーミングだった。

 「ダルマクラウン」や「クジラクラウン」は、外観のイメージから付いたもの。「ダルマセリカ」やホンダZの「水中眼鏡」同様だ。

リアウインドウの形状がまるで水中眼鏡のようなホンダZ
リアウインドウの形状がまるで水中眼鏡のようなホンダZ

 一方、2代目ローレルの「ブタケツ」、言われればちょっとだけブタっぽくも見えるが、「これのどこかブタケツなんだ?」とも言えるし、思えば大変にイマジネーションをかきたてられるネーミングですね。

ブタケツという愛称が付いたC130型ローレル
ブタケツという愛称が付いたC130型ローレル

 三菱デボネアの「シーラカンス」は、別にシーラカンスに似ていたわけじゃなく、化石のように古臭いことから晩年に付けられたネーミングでした。エスハチやヨタハチのように、車名を省略したタイプのものもあった。

1964年から1986年まで生産された、シーラカンスことデボネア
1964年から1986年まで生産された、シーラカンスことデボネア

愛称といえばスカイラインだが現行車の愛称はなし!

鉄仮面という愛称が付いたR30型スカイラインRS-X

 スカイラインは日本屈指の人気車だったので、愛称のあるものが多い。3代目は箱型だったので「ハコスカ」。以後「ケンメリ」、「ジャパン」、「ニューマン」と続いた。

 7代目はコケたが、それでも一応「セブンス」と呼ばれた。ケンメリからセブンスまでは、CMコピーが由来だ。ニューマンのRSターボ後期モデルは、「鉄仮面」で、コレは例外的に顔の見た目からでした。

 8代目は傑作だったが、型式のR32型から「32」と呼ばれ、さらに「33」「34」と数字で区別されてきた。

 ちなみに「35」は、スカイラインから独立したGT-Rに限って使われているのが実情。11代目のV35型以降のスカイラインは、世間一般はもちろんのこと、マニアの関心の対象ですらなくなったことがわかる。

 思えば、スカイラインの愛称が記号になった頃、つまりバブル絶頂期を境にクルマの愛称が激減し、付いても型式を省略した数字やアルファベットになっている。

次ページは : バブル崩壊後は愛称をつける余裕がなくなった?

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