クルマ好きに言わせれば、今のホンダ車は「らしくない」。そして「つまらない」。さらに付け加えると「デカすぎる」、「高すぎる」。そういうことになる。
もちろん、昔のホンダを知らない人には、そういう感覚もないわけだが、初代NSXの熱狂を知っている世代にとって、つまり現在の50代以上は、少なからずそういう感覚を持っているんじゃないだろうか。
では、ホンダらしい車ってどんなものだったのか?
とりわけ“らしさ”を感じさせる6台の歴代ホンダ車を題材に、最新モデルに薄れつつあると言われるホンダらしさを改めて掘り下げてみたい。
文:清水草一
写真:HONDA
かつてホンダは、国産の“ガイシャ”だった。
日本的な呪縛にまったくとらわれず、自分の得意分野に特化して自由にのびのびと車を作り、それを「欲しければ売ってあげます」という感じで売っていた。ホンダらしいホンダ車には、こんな形容詞が思い浮かぶ。
「怖いもの知らずの挑戦者」
「技術的な唯我独尊感」
実はこれ、現在のスバルとマツダにかなり近い。
一方、現在のホンダは、大成功したがゆえに巨大になり、なにかやらかしてくれる挑戦者から、受けて立つ王者に変身したのです。
では、かつてホンダが挑戦者だった時代の、ホンダらしい車たちを、独断でいくつか挙げてみよう。
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