梅雨明け以来、全国的に続く連日の猛暑……。特に直射日光を浴びる車に欠かせない装備がカーエアコンだ。
しかし、近年ではオートエアコンの普及などで多機能化が進み、使っていて意外に疑問が多い装備であることも事実。
そこで、本稿では「設定温度はどうすべき?」、「外気導入と内規循環はどう使いわければ良い?」 など夏場におけるカーエアコンの素朴な疑問を解説。
真夏の車内は70度という超高温に達するケースもある。エアコンなしでは命の危険があるだけに、カーエアコンの活用は、快適なドライブに欠かせない。
文:永田恵一
写真:編集部、MITSUBISHI
夏場のカーエアコン 3つの疑問と効果的な使い方
【1】「AUTO」機能は使うべき?
現代の車は、軽トラックのベーシックグレード以外ほぼ全車エアコンが標準装備となっており、軽自動車やコンパクトカーでも量販グレードであれば設定した温度に自動で調整してくれるオートエアコンが付いている。
ここで気になるのが「オート任せの方が良いのか?」ということだが、オートエアコンなら夏場の炎天下の駐車後には、車内を素早く冷やすため、全開で冷房を効かせるなどの対応もしてくれるので、基本的にはオート任せでOK。
しかし、オートにしても乗車位置や個人差による「暑い、寒い」も当然あるので、そうした場合は、風向や設定温度、吹き出し口を調整して、快適な室内環境とするのが良い。
【2】カーエアコンの設定温度は何度が基本?
これは日本車と輸入車で異なり、日本車は25度、輸入車は22度が基準だ。
前述のように「暑い、寒い」と感じるときには調整が必要だが、マツダ3などの欧州でいうCセグメント、日本的な表現ではミドルクラス以上の車種になると、前席左右で個別に温度調整できることも珍しくない。
車種により、左右が同じになる「シンクロ」や「デュアル」といったスイッチを切ると個別で調整できるようになることが多いので活用してみてほしい。
【3】外気導入と内気循環は使い分けるべき?
カーエアコンも家庭用エアコンと同様に「外から取り込む空気の温度が高ければ高いほど冷たい空気を作るのが難しく、逆に外気温が低いほど冷たい空気を作りやすい」という構造上の特徴を持っている。
そのため、夏場の炎天下の駐車後に代表される車内がアツアツになっている状態であれば、まずはドアの開け閉めを何度か繰り返す、窓をすべて全開にしてしばらく走るなどして車内の熱気を抜きながら、エアコンは外気導入でしばらく走った後に内気循環にするのが、室内環境を快適にする早道だ。
ただ、ずっと内気循環のままにすると、車内の空気入れ替えができず、ボーっとしたり眠くなる原因にもなるので、30分に1回程度は外気導入にしたい(高級車では外気導入と内気循環の切り替えを自動でやってくれる車種もある)。
エアコンの効果を高めるアイテムは?
代表的なのが駐車中フロントガラスやサイドウィンドウの内側に置くシェードだ。これらを使うと若干でも車内の温度上昇が抑えられ、エアコンで車内が快適な環境になるまでの時間を短縮できる。
ガラスではAGCの「クールベール」に代表的な断熱ガラスは、駐車中に加え、走行中の温度上昇の抑制に大きな効果がある。
単純に断熱ガラスへ交換するのは金銭的に勇気が要るが、飛び石などでやむを得ずガラスを交換するという場合には、部品代が純正のガラスより安いことも多いくらいなので、こちらを選ぶのを勧めたい。
また、サイドウィンドウでも暑さ対策を行うなら、断熱フィルムを貼るのも有効だ(リアは黒いスモークフィルムでもいい)。
なお、車内の温度上昇を抑制したいなら、ボディカラーは黒に代表される濃い色よりも、白のような淡い色を選んだ方が無難だろう。
また、エアコンそのものに対して効果を上げるアイテムとして浮かぶのが、エアコンのコンプレッサーオイル添加剤だ。
商品差も大きいようだが、エアコン使用時のパワーダウンの抑制(特に軽自動車などの小排気量車の方が効果は大きい)、エアコンの効きや耐久性の向上といった効果が期待できるので、試してみる価値は大きい。
最後に消耗品としてカーエアコンにも花粉やPM2.5などを集め、車内の空気をキレイにするフィルターがグローブボックスの奥などについており、家庭用エアコンと同様に詰まってしまうとエアコンの効きも低下するので、定期的にチェックしたい。
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