「東京モーターショー2015」は15年10月29日(木)〜11月8日(日)まで開催された。市販が近いと噂されるモデル、ナイスなコンパニオンたちなどお目当ては多彩にあるが「こんなクルマ、市販車になるわけねぇ〜」的なコンセプトカー、これこそがショーの真の主役といえる。
「市販車になるわけねぇ〜」と述べたばかりだが、そのコンセプトを脈々と受け継ぎ市販車になったモデルもある。多くの場合、「コンセプトカー時代のほうが格好よかった」という印象だが、ホントにそうなのか!?
清水草一氏に、コンセプトカーから市販車になった国産車のなかで、デザインの視点で印象に残り、「ひと言いいたい!」というモデルを多数取りあげ、ズバッと斬ってもらった。
コンセプトカー 正常進化・編
TEXT/清水草一
(写真はすべて上がコンセプトカー、下が新車モデル)
いすゞビークロス(デザイン評価‥‥90点)
■第33回(’93年)のショー
さすがにコンセプトカーに比べたら実車はおとなしいけど、それはある程度アタリマエ。これぞ正常進化なんじゃないだろうか! 当初の斬新さがそのまま生きているモデルだ。
ホンダS2000(デザイン評価‥‥73点)
■第31回(’95年)のショー
結局デザイン的には保守的で、新しさはナシ。バランスは良好っていうクルマだったけど、それはコンセプトモデルの段階からそうだった。そういう点で正常進化の部類に入ります。
マツダRX-8(デザイン評価‥‥92点)
■第35回(’01年)のショー
観音開きドアの4シータースポーツカーという斬新なコンセプトは、そのまま実車に生かされた。細部を見てもまさに正常進化。コンセプトはいささかも、揺らいでいない。
ホンダS660(デザイン評価‥‥100点)
■第42回(’11年)のショー
これはもうコンセプトモデルほぼそのまんま! 若干全高を高くしたくらいでしょ? 最初からカッコよかったし実車もカッコいい! ただこの段階ではEVのはずだったんだよね。
個人的にEVのスポーツカーはまったく欲しくないので、このデザインだけ生かせないものかな〜と漠然と思ったことを思い出します。それが軽のスーパーカーになったのはめでたしめでたし。最初から最後まで大成功、大正常進化でした!
マツダMPV(デザイン評価‥‥83点)
■第35回(’01年)のショー
コンセプトカーと実車のデザインはかなり違うけどね。似てりゃ正常進化ってわけじゃなく、スポーティなミニバンとしては、実用性との兼ね合いで、これでOKだったと思います!
ホンダ先代アコード(デザイン評価‥‥92点)
■第39回(’05年)のショー
私は先代アコードのデザインをずーっと「スバラシイ!」と、誌面で書いてきました。コンセプトモデルのことはあまり気に留めていませんでしたが、まさに正常進化でありましょう。
日産ジューク(デザイン評価‥‥86点)
■第41回(’09年)のショー
ジュークのウリはなんといってもデザインだけど、そのウリの部分はコンセプトモデルから完全に受け継がれている。ただ実用的に仕上げただけ。居住性充分あるもんね、このクルマ。
日産NV200(デザイン評価‥‥80点)
■第40回(’07年)のショー
これは正常進化というか、そのまんまだよね。すでに実車のデザインはあって、そこからコンセプトモデルを仕立てて出展したんでしょ? 多分そうだと思いますが……。
ホンダN-ONE(デザイン評価‥‥84点)
■第41回(’09年)のショー
コンセプトモデルは、N360の完全なレトロカーの範疇だった。そこからモダンさや実用性を付け加えたのが、この市販モデルで、これは正常進化と言えるんじゃないでしょうか。
スバルWRX STI(デザイン評価‥‥68点)
■’13年ニューヨークショー
「コンセプトモデルのほうがカッコよかった」という声が多いようだが、こんなもんじゃないかな、スバルだし。基本は外していない。実車のリアウイングは余計だったなと思いますが。
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