スズキアルトワークス試乗! ホンダS660よりパンチあるぞ! 

 PHOTO/池之平昌信

ついに真打登場!5速MT&10.2kgmエンジン搭載

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 2014年12月にフルモデルチェンジした現行型アルト。発表の時点で「追ってターボエンジンを搭載するターボRSが追加される」ことが明らかにされ、2015年3月、ターボRSが登場した。

 最高出力64㎰、最大トルク10.0㎏mを発揮する658㏄ターボを搭載するターボRSは、わずか670㎏という軽量ボディと相まって、意外なまでのパンチ力を発揮。加速性能だったらS660やコペンをグイとリードする暴れん坊ぶりを見せつけている。

 でも、やっぱりアルトのターボだったら「ワークス」でしょA そんな声に応えるように’15年12月24日に新生アルトワークスが発売開始された。ターボRSは2ペダルの5速AGSのみの設定だったが、ワークスには3ペダルの5速MTが設定された(AGS仕様も設定される)。

 レカロシートや専用チューニングのサスペンションなどでターボRSよりスポーティな走りを楽しめるようになっている。

 特に5速MTはショートストロークでダイレクトなシフトフィーリングを目指したと開発陣は胸を張る。ギア比もターボRSの5速AGSとは異なり、1〜4速を全体的にややハイギアードとしながらクロスレシオ化してスポーティな走りに対応。

 エンジンは冷却性能の向上により最大トルクを0・2㎏m高めた10・2㎏mとするとともに、アクセルレスポンスを10%向上させている点にも注目したい。


アルトワークスはアルトターボRSとここが違う!

 直3、658㏄エンジンは最高出力64㎰は同じながら、最大トルクは0.2kgmアップの10.2kgm、658㏄直列3気筒DOHCターボエンジンはターボRSのものと同じだが、冷却水制御温度を88℃から82℃とすることで燃焼室温度の低下を図り、充填効率と耐ノッキング性能を向上。最大トルク0.2㎏mアップの10.2㎏mとした

 待望の5速MTを採用!  

 ギア比は1〜4速がクロスした専用タイプ。ターボRSには設定のなかった3ペダル5速MTを設定。ギア比は1〜4速を全体的にハイギアード化するとともにクロスレシオ化。ショートストロークシフトと相まってスポーティな走りを楽しめる。専用制御プログラム採用のAGSも設定。

専用デザインのレカロ製バケットシート採用。

 ワークス専用装備のひとつに、専用開発されたレカロ製フロントシートがある。表皮とインテリアの質感とをマッチさせたデザインとなっており、レカロシートならではの高いホールド性とフィット感で安定したドライビングポジションを実現する。座面前端部のクッション高度を最適化しており、ぺダル操作性も良好だ

 専用チューニングのKYBサスを採用

 前後サスペンションはロールスピードを抑え、ダンピングを向上させたワークス専用チューニング。電動パワステの制御マップをワークス専用にチューニングしてよりダイレクトな操舵フールを実現。また、ホイールはENKEI製専用デザインで、リム径を拡大することでタイヤの接地面積をより有効に活かせるようにしている


国沢光宏はアルトワークスをどう評価するのか!?            

 TEXT/国沢光宏

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レッドの差し色を使ったターボRSに対しワークスはブラック系のカラーリングで凄みのある演出。乗ればハッキリと違いのわかるハンドリングの差を感じる。5速MTを駆使して走るのは楽しいB 価格はFFで150万9840円

 「アルトターボRSと同じエンジン&足回りだからタイした走りはしないでしょ」とまったく期待しないで試乗してみたら「あらま!」と思うくらい楽しいクルマだった。やっぱりスポーツモデルのエントリーカーってこうじゃなくちゃアカンです。

 ただ「早急になんとかして欲しい」という点もいくつか。お正月なので後味いいよう、弱点から指摘してみたい。

 最大の「う〜ん!」がレカロの取り付け位置だ。レカロそのものはフレームを含め本物なので良品である。けれどターボRSよりヒップポイントが20㎜以上高い。

 これだけ高いと少し大ゲサな表現ながら「2階に座っているみたい」な感じ。スポーツシートといえば可能な限り低い位置にセットするもの。基本をわかっていない? ターボRSに乗り換えると低くてスポーティな感じ。

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0.2㎏mのトルクアップは体感できないものの、アクセルレスポンスの向上など、ターボRSとの差異は明確だった

 価格も納得できない。ワークスは5MTも、2ペダルのAGSも、ターボRSより21万6000円高。ターボRSとの装備差を見ると、差はレカロくらい。ダンパーやホイールなど違うけれど、コスト的には同じだ。

 さらに「納得いかないですね」なのが5MT。AGSは5MTに油圧クラッチと操作系を加えたものでコスト的には高いハズ。しかもAGSなら簡易式ながら自動ブレーキまで付く。

 モンクはこのあたりにして試乗といきましょう! 1速ギアでクラッチミート、走り出すと「ありゃりゃ?」。予想していたよりずっとパワフル。670㎏という20年前の軽自動車と同じような車重に最新のトルクフルなターボエンジンを搭載してるんだから当然か? 

 それだけでなく、AGS仕様と違うエンジンだと思えるほど楽しい。実際、乗り比べてみたら、ぎっこんぎっこんギアが変わるAGSの厳しさがハッキリわかる。

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670㎏という軽量ボディにトルクフルなターボエンジンを搭載するアルトワークスの走りは、乗ってすぐに楽しさを感じることができる

 もはや5MTというだけでワークスを選ぶ価値があると思えるほど。動力性能についていえば、さすがのS660も勝てない。加えて3気筒の味を上手に出してるエンジンフィールもいいa これまたAGSだと安っぽく感じるだけだったが、5MTで味わうとアクセル操作と完全にシンクロするためスポーティになるから不思議。

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ダンパーはターボRSと同じKYB製ながら、ワークスのほうはかなりハードなセッティング。乗り心地は硬いけれど、ダンパーの動きはいい

 サスペンションはどうだろう? ターボRSと同じKYB製ながら、乗り比べたら誰でもハッキリわかるほど減衰力を上げている。その割によく動くため、乗り心地の質感はむしろターボRSより高いほど。リーズナブルなショックを上手に使っていると感心。もちろん大人が納得する奥行きはないけれど、若い人ならこのくらい硬いほうが普通のクルマと違う感じで楽しいと思う。

 おそらくスズキにもクルマ好きがいて、アルトワークスの開発にあたり魂を込めたのだろう。基本的にターボRSと同じ部品を使っているのに、まったく雰囲気が違うクルマになってしまった(AGS仕様は未試乗なので不明)。だったら最初からターボRSなんか作らず、ワークスだけにしておけばよかったのに、と強く思う。

 いずれにしろアルトワークス、楽しいです。

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スペック比較
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