トヨタスターレット(2代目→3代目)
スターレットも80系カローラ&スプリンターと同様に1984年登場の3代目モデルでFF化された。
実用コンパクトの3代目スターレットは前述したスポーツ志向の強い80系レビン&トレノとはジャンルが異なることもあり、FF化は軽量化や室内空間の拡大、低コスト化など得るものばかりで、正常進化を果たした。
走りに関してもエンジンが1.3L級とパワーが限られていたためFRのメリットがそれほどなかったこともあり、むしろエンジンが新しくなったのと軽量化による動力性能の向上は歓迎された。
さらにモータースポーツでも簡素なベース車を設定しや後にターボ車を追加したこともあり、モータースポーツ業界ではスターレットのシェアはさらに拡大するなど、FF化による悪影響は皆無だった。
【結論】
スターレットのFF化は大成功。
マツダファミリア(4代目→5代目)
ファミリアもカローラ&スプリンターやスターレットと同様に合理化や自体の流れに沿い、1980年登場の5代目モデルでFF化された。
ファミリアは最後のFRとなった4代目モデルも充分成功したモデルだったが、FF化は実用車にメリットが大きいこともあり、前述したスターレットと同じように大成功を納めた。
また5代目ファミリアが大成功を納めたのはFF化も大いに関係しているが、それ以上にスタイルを含め全体的に和製VWゴルフと言いたくなるくらい全体的に基本のシッカリしたクルマだった。
3ドアハッチバックでも腕の置き場を確保した快適なラウンジシートや仮眠などに使えるフルフラットシートの採用(このあたりはFF化による広さも好影響を与えた)、基本がシッカリしたクルマだったため後にハイパワーなターボ車を追加しても充分対応できユーザーの選択肢が広がったことなど、クルマ自体に魅力があったことが大きかった。
【結論】
FF化によりクルマの魅力が広がり大成功。
日産セフィーロ(初代→2代目)
初代セフィーロは1988年に「スペシャリティながらそれなりの室内空間を持つセダン」というコンセプトで登場。
初代セフィーロは同年登場の熟年層向けながらスタイリッシュな4ドアピラーレスハードトップの6代目ローレルとFFの3ナンバー専用ボディで広い室内を持ちリラックスできるマキシマ、翌1989年に登場でスペースは割り切りスポーツセダン&クーペを極めた8代目スカイラインという4台で、当時売れまくっていたマークⅡ三兄弟の牙城を崩すべく構成されたシンフォニーLと呼ばれたクルマ集団の一員でもあった。
初代セフィーロ自体はマークⅡ三兄弟のような万人向けのクルマではなかったが、たいていのクルマが売れたバブル期の登場だったこともあり、それなりの成功を納めた。
1994年登場の2代目モデルでセフィーロはバブル崩壊による不景気もあり、マキシマと統合するかたちでFF車にチェンジ。
2代目セフィーロはアメリカではマキシマとして販売される重要車種だけに派手さこそないものの堅実なクルマだったのに加え、250万円から300万円台の日産車で代表的な存在だった7代目ローレルと9代目スカイラインがコンセプトのボヤけたクルマだったのもあり低迷。
2台と対照的にコンセプトも明確だった2代目セフィーロは結果的に「日産ファンの有力な選択肢」に浮上し、まずまずの成功を納めた。
【結論】
いろいろな事情が重なった幸運はあるのの成功。
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