【カローラレビン、エルグランド…】FRからFFに変更したクルマの是非

日産エルグランド(2代目→3代目)&マツダMPV(初代→2代目)

初代からFRレイアウトを踏襲してデビューした2代目。ミニバンながらFRとしてのナチュラルなハンドリングはアルファードよりも評価が高かった
ユーザーは広さを求めていたなか、3代目で待望のFF化が実現。押し出しの強いフロントマスクは2代目を凌駕していたが、肝心の実用性に難点があった

 FRで歩み始めたミニバンだったエルグランドとMPVであるが、エルグランドは2010年登場の現行3代目モデル、MPVは1999年登場の2代目でFF化された。

 それぞれに共通するFF化のメリットとしてはエンジンルームが小さくなる、フロアが低くなることによる室内空間の拡大、低コスト化が挙げられる。

 いっぽうデメリットはFRの魅力であるアイドリング中ステアリングに伝わる振動の少なさや、前輪が駆動しないことによるクリアなステアリングフィールといった高級感を失ったといったことだろう。

 このあたりはミニバンを実用車と見るのか、高級車と見るのかによっても判断はわかれるが、総合的に考えれば現代はFFのデメリットが目立たなくなっているくらい技術が進んでいるのもあり、ミニバンにはFFのメリットのほうが大きいといえる。

初代MPVは当時としては超大型のマルチパーパスビークルとして独自路線をまい進したが、日本のマーケットでは受け入れられず販売面で苦戦
初代の失敗を教訓にFRからFFにチェンジして実用性を大いに高めた2代目MPV。このモデルはミニバンとは思えないハンドリングの評価が高った

【結論】
 MPVは販売面も上向き大成功。エルグランドはFF化は当然の流れだったが、FRの2代目よりも室内、ラゲッジとも狭いなど、FFのメリットを生かせなかったのが痛かった。そのため2代目オーナーからの買い替え需要が見込めず苦戦。

3代目エルグランドはFF化したにもかかわらずFFの最大の利点である室内スペースの確保という点で失敗したのが痛い。ゴージャスな室内だったがユーザーは満足せず

まとめ

 ジックリ考えてみるとクルマは高級車やスポーツモデルといった趣味性の高いものでなければ、駆動方式よりクルマ自体の出来が重要ということも分かる。

 となると新しい1シリーズはプレミアムカーというそれこそ趣味性の高いクルマで実用性やクルマの出来だけでなくイメージなども重視されるモデルだけに、FF化がクルマの評価にどう影響するか注目したいところだ。

【画像ギャラリー】FF化されたBMW1シリーズ(本国仕様)

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