初代クラウンを東京トヨタがよみがえらせる!

 勝島サービスセンターに運ばれたレストア車両の1958年式クラウン。9月に作業がスタート

新車販売店がレストアとは?

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1955年に誕生した初代クラウン。観音開きドアを持つボディが特徴で、1.5ℓ直4OHVエンジンを搭載。発売当時価格は96万5000円だった。完成したらこんな感じか?

 えっ、新車販売店でレストア作業ってどういうこと?

 ここは東京・品川区にあるトヨタディーラーの東京トヨタ自動車株式会社、勝島サービスセンター。このなかで現在、1958年式の初代クラウンをレストア中だというのだ。新車などの整備が本来の業務である販売店の整備工場で、なぜクラシックカーをレストアしているのか?

 これには理由があった。

 現在4つあるトヨタの販売チャンネルのなかでも、最も長い歴史を持つトヨタ店は今年で創立70周年を迎える。これを記念した活動として、全国のトヨタ店と東京トヨペットで、初代(’55年発売)〜7代目(’83年発売)クラウンのなかから入手可能な1台を選んで、レストア作業に取り組んでいるのだった。その名も『ディスカバリー クラウン スピリット プロジェクト』。

 ちなみに、東京トヨタが確認しているところでは、初代が25社、2代目が6社、3代目が8社、4代目が4社、5代目が2社、6代目が2社、7代目が2社(型式不明1社あり)、レストア作業を現在進めているという。

 そして、このプロジェクトに東京トヨタも参加。昨年8月に同社OBが保管していた初代クラウンを譲り受け、9月からレストアを本格的にスタート。5人のスタッフを中心に、そのほか各店舗の応援エンジニアによって作業が行われ3月上旬現在、ボディはほぼ完成状態にあるという。

 しかしながら、この初代クラウン。大事にきれいに乗られた車両だったが長い時間が経過しているため、もともとの状態は一見きれいそうでもさまざまな箇所が腐食していた。そのため、レストア作業は苦労も多いという。

 「整備したことのない古い時代のクルマなので、そのパーツを成型するにしても、もとの形がわからなくて、それは困りました」とは、サービス部業務改善室エキスパートリーダーの甲賀静夫さん。

 それと、一番の問題が新しい部品がないこと。現在はデフベアリングが見つからないなどで、作業が止まってしまっているという。

 「古い部品を再使用することも考えていますが、できればちゃんとした部品を使って、いつまでも走れるようにしたい」とは、サービス部技術室室長の有山仁さん。

 修復作業はトヨタ博物館の車両を整備している新明工業の専門チームにアドバイスをもらいながら進行しており、現在はシリンダーをホーニング中。これら現在ばらばらになっているパーツを組み立てて5月に走れる状態にし、’58年当時のオリジナルナンバーで車検を通す計画だという。

 まだ、部品の問題などもあり、最終的な完成は6月頃かもしれないというが、58年前の初代クラウンがあともう少しで息を吹き返そうとしている。完成後は、全国各地でレストアされたクラウンが一堂に会するセレモニーも夏に計画されているというから、これまた楽しみだ。

2015年9月に作業がスタートし、完成は2016年6月予定!

【BEFORE】

01_車体分離⑦

運ばれてきた時はきれいに見えたボディだが、各部位のパーツを外すと腐食している箇所が多かった
04_【Before】ボデー
05_ボデー作業①

【AFTER】ボディはほぼ完成!

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ボディはさまざまな場所がサビていたが、腐食部分を除去し、パテ成型などを実施。左写真のボディの左側に立つのは、ボディ部分のレストアを担当したサービス部 業務改善室エキスパートリーダーの甲賀静夫さん

【BEFORE】シャシーもサビだらけ…

02_車体分離④
初代クラウンのボディ
TS3W0079
上写真のボディを持ち上げて切り離されたシャシー。 作業は昨年の10月に行われ、さらに分解された

【AFTER】フレームも仕上がった!

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 意外にシャシーもサビに覆われていたため、腐食部分を剥離して、サビ止めを実施。現在はきれいに仕上げられている。シャシー奥に立つのはサービス部 技術室室長の有山 仁さん

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