【タイプRに隠れた影の名車!?】ホンダにタイプS復活!! その魅力と歴代名車3選

2台目はNSX タイプS

1997年発売のNSX タイプS。イメージカラーのイモラオレンジ・パールは現行モデルでも2018年の改良で復活した

 NSXに追加設定されたタイプSも、タイプRに迫る魅力を備えた名車だ。

 タイプRの販売が打ち切られ、ファンは残念がっていたが、ホンダは1997年2月のマイナーチェンジでNSXに「タイプS」を設定。エンジンは3.2LのV型6気筒DOHC・VTECとなり、5速MTは6速MTに進化した。

 また、タイプSだけでなくサーキット走行を意識したエアコンレスの「タイプSゼロ」も用意している。

 タイプSは200ccの排気量アップとクロスレシオの6速MTを手に入れたことにより、力強い走りに加え、フレキシブルな走りも実現した。

 飛ばしたいときは7000回転まで無理なく使い切ることができ、渋滞した道路状況でも扱いやすいのだ。軽量ボディだから、加速も軽やかである。

 また、チタン削り出しのシフトレバーを備えた6速MTは、5速の時代よりシンクロも強力になったし、変速レスポンスも鋭くなっているから変速するのが楽しい。

 サスペンションに専用チューニングを施し、BBS製の鍛造アルミホイールを履いたタイプSは、バネ下重量が軽く、ミッドシップだから意のままの気持ちいい走りを無理なく引き出せる。

 マイナーチェンジ後のNSXは、軽量化させながらボディやサスペンションをしっかりと補強した。

 また、パワーステアリングも改良されたから操舵フィーリングも見違えるほどよくなっている。制動能力も素晴らしい。タイプRよりコントロールしやすく、運転がうまくなったように感じられるのがタイプSのいいところだ。快適性も高かった。

ベスト3のラストはS2000 タイプS

2007年に追加設定されたS2000 タイプS。エンジンが2.0Lから2.2Lへ替わり、マイルドになったという評価も多いが、扱いやすさと総合性能は極めて高い

 S2000の最終モデルに登場したタイプSも魅力的なスポーツグレードだ。

 2005年のマイナーチェンジで2Lの直列4気筒エンジンに換えて海外向けに使われている2.2LのDOHC・VTECエンジンを搭載。ドライブバイワイヤを採用し、出力制御システムも変更、サスペンションのセッティングも見直している。

 この後期モデルをベースに2007年秋に登場したのがタイプSだ。精悍なエアロパーツを身にまとい、サスペンションも専用としている。

 従来の2Lエンジンは9000回転まで実用になったが、2.2Lはマイルドな性格だ。高回転のパンチも失せた。が、もともと素性のいいエンジンで、7000回転までは軽やかに回る。

 しかも常用域のトルクは大幅に増え、シフトダウンしなくても街乗りを無理なくこなす。全域にわたって扱いやすくなり、同乗者も快適になった。

 もちろん、俊敏なハンドリングは健在だ。オープンでもボディ剛性は高いし、サスペンションもシャキッとしているから狙った通りに意のままのコーナリングを楽しめる。

 トラクションコントロールは解除できないが、十分すぎるほどスポーティだ。郊外の道では爽快なオープンエアも楽しむことができる。

「硬派じゃないけど間口が広い」タイプRにはないタイプSの魅力

「タイプR」ではないもうひとつのスポーツモデル、アコードに設定されたユーロR(2002年発売)

 硬派の「タイプR」と比べると「タイプS」は間口が広い。多くの人がスポーティな走りを楽しむことができるのが最大の魅力だ。

 これはアコードとシビックに設定された「ユーロR」にも言える美点である。テクニックに応じて気持ちいい走りを楽しめ、その気になればサーキット走行もこなすことができるのだ。

 また、快適性の高さでも「タイプR」を凌ぐ。デートや街乗りからサーキット走行まで使うことができる許容度の高さがある。

 無理なく維持していけるのも長所のひとつだ。それなりにパーツ代はかかるが、「タイプR」より維持するのはラクだった。今の車より軽量だからパーツの負担も小さい。

 ただし、気持ちいい走りの「タイプS」は新車のときでも少数派だった。だから中古車になっても手に入れるのが難しくなっている。これが悩みどころだ。

 となれば、テクニックを磨くのに最適な「タイプS」の復活を熱烈に期待したい。

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