■経験はなによりも強い財産になる
なんたって学生は実習場にある日産車しか触れていなければ、インターンこそあれど本格的な実務にあたったこともない。
だからこそ八丈島の車両で学ぶことは多い。この過程こそ整備士としての引き出しを増やすきっかけになるし、トラブルシューティングは実戦に勝るものはないのだ。
今回も走行中に「カタカタ」という異音が気になるという車両が入庫。ダンパーのガタ、エンジンマウントなど多くの点検項目を調べる学生たち。
そしてついに異音の発生源を突き止めた。なんとエアクリーナーの吸気ホースを留めているピンが外れてしまっていたのだ。学生からすればまさかまさかの事例だが、複数オーナーを巡り巡ってきた中古車が多い八丈島ではこのようなトラブルも多い。
イベント全体から見れば「たった5分」の出来事。それでも学生にとってみれば整備士として業務に当たった際の心構えは変わる。
トラブルシューティングのひとつとしてエアクリーナーを点検するだろう。彼が得た知識で作業がスムーズに進むことで顧客満足度も高まる。
なにより他の人の役に立つという経験は整備士としてのモチベーションが上がるものだし、学生のなかには「整備をして初めてありがとうと言われました」という声もあった。
もちろん「やりがい」だけでは生きていけない。今回のイベントには国土交通省の担当者2名が霞ヶ関から視察に訪れ、新たな時代の整備業界を模索していた。
整備士は決してキツイだけの仕事ではない。もっと評価され、正当な対価を得られるように、ベストカーは応援していきます。
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