クルーズコントロールはなぜ115km/hに設定できるのか?

上限115km/hの設定速度の根拠はどこに!?

 実測値とスピードメーターの数値の誤差はこの範囲内で認められていることがわかった。しかし115km/hというクルーズコントロールの最高設定速度はどこから来たのだろうか。さっそく115km/hを公式2に当てはめてみよう。

 【10×(115-6)÷11≦V2≦(100÷94)×115】になる。

 つまり99.09km/h≦122.34km/hまでが許容されるメーター誤差となる。誤差の範囲の最低速度が約99km/h、つまり法定速度100km/hを下回っている!! 

 メーター誤差が生まれる可能性を最大限考慮すると、クルーズコントロールの設定速度は115km/hでもいいということのようだ。

 ちょうど疑問を解決し終わったところでトヨタのクラウンのクルーズコントロールが発表された。最新の車車間通信を行うモデルだ。イラストにあるように、前方のクルマの加減速情報を感知して自車の速度を自動で調整する。

 今まではレーダーのみで行っていたことを通信も併用して行う優れもの。まるで前車と連結したような追従走行が可能という。

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現在主流の追従式レーダー式クルーズコントロールの概略図(トヨタ)。快適性のみならず安全性に大きく貢献

 前出の西村氏に今後のクルーズコントロールについて聞いてみた。

 「トヨタが新たに出した車車間通信などの技術が将来自動運転にも応用されると思いますし、自動運転のクルーズコントロールは周りの偏差に合わせたものになるでしょうね。簡単に言うと『周りの流れに乗る』といった感覚でしょうか」。

 今後はクルーズコントロールの最高設定速度と共に、機能の進化も期待したい。

 今回の「不思議」の結論をまとめてみると、「スピードメーターの示す数値と実測値の誤差を最大限考慮すると、クルーズコントロールを115km/hに設定した場合に99km/hしか出ないことも考えられるから」といえそうだ。

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トヨタの車車間通信式クルーズコントロール。従来のレーダー式にプラスして通信を行うことでよりスムーズな加減速を行うことができる。まさに未来のクルーズコントロールである
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先行車を検知すると速度を調 整して追従することが可能

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