【トヨタ、GT-R、ベンツ…】人生を変えるとっておきの1台

【トヨタ、GT-R、ベンツ…】人生を変えるとっておきの1台

 クルマ選びに常識は禁物だ。似合わないとか、ムリと思っている限り新しい発見には到底出会えない!

 選・文:西川 淳
BestCar PLUS 2016年5月18日号


クルマで人生を変えるのは実は難しいことじゃない

 人は何かに満足してしまうことで、限界を作ってしまう。世の中にはそれを超えた存在がまだまだたくさんあるというのに。

 もちろん、経済的、社会的、嗜好的な境界線は人それぞれにあって、たとえば免許取り立てのフツウの学生に、「ラ フェラーリに乗ってみろ、人生変わるから」とは口が避けても言えない。

 けれども、実際に乗ってみれば、自分のなかで何かしらの化学変化が起こり、モノや景色を見る目も変わって、ちっぽけな自分というよりも、小さく安住する自分に気づく。

 気づいたときがスタートポイントなわけだから、気づかなければ一生そのまま。死ぬときになって後悔しても、時すでに遅しだ。

 というわけで、人生を変えるクルマ選びというのは、実はそう大層なことではなく、せめて還暦まではチャンスとタイミングを生かしてありとあらゆるクルマに乗っておけ、ということでしかない。

 選り好みをせず、決して色眼鏡をかけず、物怖じすることなく、好奇心を張り巡らせる。その姿勢を取れたというだけで、人生はきっと変わっていくことだろう。

 ボクの場合、それは20代最後の年に、ありとあらゆる手を尽くして手に入れたフェラーリBBだった。大それたクルマを買ってしまったという“身の程知らず”さを、後悔したこともあった。

 けれどもBBを買ったことで、スーパーカーライターへの道も開けたのだ。四六時中、手に入れることだけを考えていたあの時間があったからこそ、今でもスーパーカーを一途に愛する気持ちを、持ち続けていられるのだと思っている。

■TOYOTA/センチュリー 新車価格:約1250万円~

最高級のサルーンといえばロールスロイスやベントレーに尽きると思っていた。まさか日本の、しかもトヨタのセンチュリーがこれほどまでによく考えられた、そして手間暇かけて造られたVIPサルーンだったとは。日本人の高級車観をこれほど巧みに表現しえたモデルは他にない。あるとすれば皇室専用車か。もちろんセンチュリーも半ばそう
最高級のサルーンといえばロールスロイスやベントレーに尽きると思っていた。まさか日本の、しかもトヨタのセンチュリーがこれほどまでによく考えられた、そして手間暇かけて造られたVIPサルーンだったとは。日本人の高級車観をこれほど巧みに表現しえたモデルは他にない。あるとすれば皇室専用車か。もちろんセンチュリーも半ばそう

■FIAT/ヌォーヴァ500 中古車価格:約180万円~

やれ馬力だ高級だのと、人は常に上に憧れ、上を目指し、何とか手に入れようとする。それが社会の原動力。否定はしない。いっぽうで、移動するという実用だけをシンプルに考えれば、小さなクルマで事足りる。チンクにはクルマを動かす作業の全てが詰まっていて、むやみに目移りする自分を原点に引き戻してくれる
やれ馬力だ高級だのと、人は常に上に憧れ、上を目指し、何とか手に入れようとする。それが社会の原動力。否定はしない。いっぽうで、移動するという実用だけをシンプルに考えれば、小さなクルマで事足りる。チンクにはクルマを動かす作業の全てが詰まっていて、むやみに目移りする自分を原点に引き戻してくれる

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