気になる練馬線の現状はどうなっている?
ならば、2006年に調査を推進するとされた練馬線計画が、いまどうなっているのかが気になるところ。首都高広報課に問い合わせると、
「都市計画等の諸手続までには至っておらず、計画が具体的になっているものではありません」
とのこと。通常、新しい路線を作るには、まず都市計画で「地下トンネル式で、こういうルートを通ります」といった具体的な路線計画を決める必要がある。
つまり、都市計画を決めることが、正式な計画として動き出すための第一歩なのだ。この都市計画は、国が主導となって決める。では、国交省としては練馬線について、どう考えているのか?
再度、道路局に問い合わると、「(練馬線について)個別に新しい動きがあるわけではない」としつつも、「首都圏のネットワークとしては検討している」との答えが返ってきた。
今後、練馬線計画は実現に向けて動き出すのか!?
現状では、このように2006年に「調査を推進する」とされた段階から大きな前進はないものの、将来的には練馬線が具体化する可能性はある。実際に、計画がなかなか具体化しなかった路線が、長年の時を経て開通した例もあるからだ。
その好例が、2015年に開通した首都高中央環状品川線だ。実は当初、高架式として計画された中央環状品川線は、沿線の環境問題などを背景に1970年に計画休止となっている。
しかし、1990年に新規路線として調査を開始し、2004年に地下トンネル式として都市計画が決定。その後、調査開始から実に25年の時を経て、中央環状品川線は2015年に開通に漕ぎ着けた。
中央環状品川線は、地下トンネル式とすることで用地買収や環境問題などのネックを解消したのだ。
練馬線が調査を推進する路線と位置づけられたのは2006年。
残念ながら、今後早稲田出口を練馬線に転用する可能性は少ないが、もしかすると2030年には関越道と都心を結ぶ地下トンネルの「首都高練馬線」が完成しているかもしれない。
その時、この早稲田出口は“幻の早稲田JCT”として再び脚光を浴びるのでは? と筆者は密かに期待している。
夢の練馬線への分岐点とはならなかったが、今も早稲田出口は“現役”だ 提供:首都高速道路(上)
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