現行ラインアップとレジェンドマシンに乗る
最後のお楽しみは試乗だ。しかもコースはMINEサーキット時代とレイアウトは同じ。
これはワクワクしてしまう。今回コース上で試乗したのはデミオ、アクセラ、アテンザセダン、CX-5、ロードスターだ。隊列走行(とは言っても最高速は140km/hほど)だが、その中で特に印象的だったのがアテンザだ。
2.5Lのガソリンエンジン搭載モデルは、コーナリングでもロードスターに食らいつく走りを見せつけた。
まるで欧州車に乗っているような錯覚に陥りそうだったが、それも無理はない。サルーンがノーマルでサーキットを走っているのだから。ガッチリとした剛性感もさることながら、足回りの”粘り”もいい。
そんなワクワク試乗が終わった後にサプライズが。「マツダレストアプロジェクト」という社内有志のメンバーがレストアした、R360とコスモスポーツを運転していいという。
いやはやこんなチャンスは二度とないかもしれない。R360はそのキュートなサイズ感ながら188cmの巨漢を優しく受け入れてくれた。リアシートのレースのカーテンに空冷の音が勇ましい。
コスモスポーツは回転数の制限なく回していいと言うではないか。6000回転ほど回すとロータリーの甲高い咆哮が響く。
アドレナリン出っぱなし。100周年を目前に社員自らがマツダの歴史を知る、ということでレストアのプロジェクトが始まったそうだ。今後はファミリアなどのレストアも行うという。
レストア担当のスタッフに話を聞いているとマツダへの愛を感じた。
R360のベロア調のシート生地を復刻させるにあたりシートサプライヤーが忠実にそれを復刻したり、クセのある空冷エンジンを完調なまま維持する技術をOBが伝達したり、レストアの裏には多くの人たちが協力している。
その人たちに共通すること。それが「マツダが大好き」ということだ。そこで気付いたことがある。
マツダがいかに地元に愛され、広島と共に成長してきた会社かということ。どんな苦しいときも、どんなに潤っているときも、常に広島と共に歩んできたマツダ。
「都合のいい関係」ではないのだ。それは「SKYACTIV」でブイブイ言わせている今日でも変わらない。「今があるのは苦しい時を支えてくれたすべての人のおかげ」という開発メンバーの言葉を聞いた時、愛のある会社だな、と感じた。
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