日本自動車工業会(自工会)は2026年1月22日、佐藤恒治新会長(トヨタ自動車社長)と6人の副会長が登壇するメディア向け説明会を実施し、「新7つの課題」を提示した。佐藤会長は自工会理事会のさらなる改革・改善を進めると宣言。日本経済の柱である自動車産業をさらに強くするために必要なこと、雇用を守るためにすべきことを推し進める。激動のモビリティ社会の中で、税制改革・資源/部品の継続供給・協調領域の拡大などを加速させる構えだ。
文:ベストカーWeb編集部、写真:日本自動車工業会、ベストカーWeb編集部(アイキャッチ写真は自工会・佐藤恒治会長)
新体制の狙いは「具体」とスピード
説明会の冒頭、「ここにいる(副会長の)皆さんは、トヨタというバッジが付いていても言うことを聞いてくれる人たちじゃないですからね」、「打ち合わせゼロでここ(会見場)に来ています、頼みますよ皆さん」と、佐藤恒治会長(トヨタ自動車社長)はそう切り出した。口調や柔らかく軽妙であったが、真剣勝負の理事会を終えて、メディア説明会見も真剣に取り組む姿勢を見せたひと言だった。
続けて佐藤会長は「片山正則前会長(いすゞ自動車会長)が築いたフランクに議論できる土台を生かしつつ、変えていくべきところは変えていく」と宣言。その象徴のひとつが運営のスピードアップだ。以下、会見内容を整理してお伝えします。
これまで、自工会の定例理事会は隔月で実施されていた。しかし従来どおり2カ月ごとに審議・決議を重ねる形式では、モビリティ関連における課題の変化に追いつけない。そこで今後は「テーマ・バイ・テーマでフレキシビリティを持って議論の場を持ち、具体に落としていく方式」へ寄せる。突然メディアを招集したこの説明会自体も、第1回のトライだという。
佐藤会長は、その時々の政治や時事の質問に答えることの重要性を認めつつも、「ここ(自工会会見)で伝えたい軸」を明確にした。
実際問題、これまでの自工会の定例会見と、そこでの記者とのやり取りといえば、「来春の春闘はどうなりますか」だとか「米国経済についてどう思いますか」だとか、「今度の政権に対してどのような要望を伝えていきますか」といった、定番の政治案件、経済案件のやり取りに終始していた。
佐藤新会長はそういった内容にも一定の意義を認めつつ、じっくり取り組むべき大きな課題の進捗や新しい案件について、積極的に発信し、議論を深めていきたいと意欲を示す。
「日本の自動車産業が日本の元気につながっていくために、どんなことに取り組もうとしているのかを、より深く正しくお伝えできるようにしていきたい」。
この理事会の開催頻度アップと発信回数の向上、メディアを通した社会との対話には、「その場その場の関心事に振られすぎると断片的になる、より重要で大きな課題にしっかり取り組むため、ゴールを決め、期限を切る必要がある」と語り、背景にある問題意識を説明した。
そのうえで、今回の会見の本題である(自工会が掲げる)「新7つの課題」の説明に映った。見れば技術論だけでなく産業の土台(供給網・税制・標準化・人材)、そもそも日本の産業界全体が抱える課題がずらっと並ぶ実務・実装・難題メニューであった。
特徴的なのは、これまでの「担当会社を固定してそれぞれの分野を進めるやり方」を、当面は意図的に外す点だ。佐藤会長は「幹事会社が実務検討して理事会に上げる」よりも、まずはオールハンズで全員がこの大きなテーマに向き合わないと進まない、と強調。少なくとも「当面3カ月、4月を迎えるぐらいまでは全体論をこのメンバーで進める」とし、具体に落ちた段階で委員会や主担当を置く考えを示した。












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