【宅配ドライバー残酷物語】 配達数200超……業界は崩壊寸前!?

大手宅配A社元ドライバー「定時で上がっていたら家族を養えない」

再配達は便利な制度だが、ドライバーにとっての負担は大きい
再配達は便利な制度だが、ドライバーにとっての負担は大きい

 中型免許の問題や、オートマ免許の問題などが関わってきますが、過酷な労働条件なのに給料が安い現実があり、宅配ドライバーもなり手がいないのが現状です。

 A社にいた当時は、時間帯指定の時間に3件くらい遅れると懲罰案件になることもありました。

 再配達の負担は大きくて、「私いたわよ、何でピンポン鳴らしてくれないの!?」とかクレームを言われたら、次の指定の時間にそのまま持っていくしかない。

 最近は企業対応が悪いと、すぐにメールでクレームを入れられてしまいますから。

 以前は会社のほうで、希望時間に対して、次に行ける時間をお客さんに伝えてくれていましたが、サービス合戦でそんなことを言っていられなくなってしまいました。

 現在もトラックの仕事はしています。日給月給制なので自由に休めますが、休んだぶんだけ給料が減る。だから、今年に入って(1~3月)一度も休んでいません。

 定時は8~17時ですが、定時に毎日上がっていたら、家族を養うことができない。日給は8000~1万円と安いですから、夜中まで仕事もしますね。

大手宅配B社元ドライバー「時間指定再配達が大量に…」

マンションによっては宅配ボックスもあるが、埋まっていて荷物を入れられない。サイズ超過で入れられないなど、ドライバーの負担を劇的に解消する効果は薄いようだ
マンションによっては宅配ボックスもあるが、埋まっていて荷物を入れられない。サイズ超過で入れられないなど、ドライバーの負担を劇的に解消する効果は薄いようだ

 B社で宅配便のドライバーをやっていたが、地獄だった。

 朝積み込んで、昼までに一便と言われるものを終わらせなければならないけど、140個あるうちの90個は午前指定。

 でも、朝の積み込みを終わらせて、配送センターを出発するのは9時くらいになってしまう。昼の12時まではたったの3時間と、どう考えてもムリな状況からスタートする。

 ドライバーがよく走っているけど、走らないと終わらないから走っているだけで、毎晩足がつって起きるような状態が続いていた。

 終わらないから朝早く行くけれど、労働基準が厳しくなっているのでタイムカードを押せない。だから、朝の6時半くらいにセンターに行って、タイムカードを押さずに積み込みをして、定時になったらタイムカードを押す。

 帰りも定時なったら先にタイムカードを押して、やり残している仕事を夜遅くなっても片付ける。23〜24時に家に帰って、次の日も5時には起きて、6時くらいには会社に行って積み込んで、という生活が続いていた。

 話題のネット通販大手も取り扱っていたけど、あれはヤバイ。

 「今日は荷物が少なくて楽勝だな」なんて思っていたら、当日配達が三便という夕方の便で入ってきて山のように積まれると心が折れる。

 B社でも、慢性的に人が足りず、とてもさばききれる量ではなかった。140個というのがアベレージで、繁忙期になると一便が360個なんていう状態になった。

 お客さんにとっては便利な時間指定サービスも、ドライバーを苦しめるだけのものでしかない。一番ヤバイのは、夜の20~21時の時間指定便。

 他の時間は2時間あるけど、その枠だけは1時間しかない。でも、その時間はサラリーマンが一番帰宅する時間で、指定している荷物が集中する。

 さらに悪いことに、ネット通販を利用する人ほどその時間を利用するからパンクする。

 ちなみに再配達を減らすための方策として宅配ボックスが設置されているマンションもあるけど、サイズが小さいボックスが多いので、荷物が大きくて入れられず持って帰ることのほうが多い。

 それに届いた物を取りに来ていない人も多いので、入れられたらラッキーくらいのものでしかない。

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