制限速度は上げてもいいの??『一般道60→70km/h』なぜOKに? 一般道の規制速度事情

 2017年2月19日、千葉県が進めてきた国道464号「北千葉道路」のうち、印西市若萩—成田市北須賀間の4.2km区間が開通。

 既存開通区間の印西市内にある約9km区間(堀割構造)の制限速度が、従来の60km/hから70km/hに引き上げられた。

 ご存じのとおり、一般道での法定最高速度は原則として60km/hとなっているはずだが、北千葉道路の既存開通区間の一部で制限速度が70km/hに引き上げられたのはいったいなぜなのか?

文/写真:ベストカー編集部
ベストカー2017年4月26日号


公安委員会の判断で一般道は80km/hまで可能

 そもそも一般道での制限速度を引き上げることが可能なのかどうか。警察庁が2009年10月に各都道府県警に通達した交通規制基準「規制速度の決定」で次のように定められている。

 「中央分離帯があり、立体交差化された規格の高い道路は、標識により法定速度の60km/hを超える80km/hまでの設定を認め、そのほかの一般道路についても実勢速度をもとに40—60km/hの基準速度を定め、原則基準速度からプラスマイナス10km/hの範囲で各都道府県の公安委員会が速度を決定する」

 一般道でも設計速度が60km/h以上で、立体交差化、上下線分離、歩行者や原付自転車などの通行量がきわめて少ないといった「車の通行機能を重視した構造の道路」にあたる場合は基準速度を70—80km/hと定めている。

北千葉道路の開通区間と速度制限が書かれている地図

 つまり、道交法上でも速度の引き上げ自体は各都道府県公安委員会の判断に一任するということだ。今回のケースについて速度規制を主管する千葉県警交通部交通規制課は次のような見解を示している。

「北千葉道路の既存開通区間9kmは、中央に北総鉄道北総線が走り、その両脇を堀割構造となっている上下線、その上を並行して走る側道上下線がある構造となっています」

「堀割構造の上下線は設計速度が80km/hとなっており、実際にそこを走る車も70km/h前後の速度で走行しているのが確認されています」

「開通した2014年7月以後、人身事故も今までに1件が発生したのみで安全面でも問題がないだろうということで今回、交通上の実態に合わせて制限速度の引き上げに踏み切りました。千葉県内では初めてのケースになります」

 担当も3月中旬に現地へ赴き、70km/hに引き上げられた9km区間を走ってみた。

 現地に到着した時間は比較的交通量が少なめの午前11時前後だったが、北千葉道路側道の交差点から堀割構造となっている一方通行の片側2車線に入ると、まるで高速道路のような感覚。

 時折出てくる「70km/h」の速度制限標識で一般道であることを認識させるものの、交通量自体も少なめだったせいもあり、国道とは思えないほど快適な走行を堪能できた。

北千葉道路『70km/h』の背景には3つの条件

 実際に走行してみて制限速度が引き上げられたのが納得できたが、なぜこの場所のみが制限速度引き上げの対象となったのか、再び千葉県警交通規制課に聞いてみると、

「もちろん実勢速度がほかにも70km/hになっている道路はありますが、ここは大きく分けて3つの条件にすべて合致したことが挙げられます」

「ひとつ目は設計速度が80km/hであること、ふたつ目が高架や堀割といった構造によって立体交差化されていること、最後は上下線が分離され、道路自体が平坦で見とおしがいいことでした」

 制限速度を引き上げると実勢速度も上がってしまうんじゃないかと思うかもしれないが、同課では「制限速度を上げても実質的には5km/hほど上がるだけとの検証結果もあり、実勢速度への影響はさほどないと見ています」とのことだった。

全国には80km/h一般道もある!!

 今回取り上げた北千葉道路以外でも、70km/hに制限速度が引き上げられた一般道はある。その代表例が以下の道路だ。

■制限速度70km/h以上の主な一般道
【】内は制限速度、()は供用開始年月

・宇都宮北道路【80km/h】(2005年11月)

・国道408号 鬼怒テクノ通り 一部区間【80km/h】(2013年8月)

・国道1号浜名バイパス【80km/h】(2005年3月)

 日光宇都宮道路と宇都宮環状道路とを結ぶバイパスの宇都宮北道路は、2003年に供用が開始。2005年11月から従来の60km/hから80km/hに引き上げられた。これは高速道路以外の道路としては従来の70km/hを上回った全国初の事例だ。

 また、静岡県浜松市と湖西市とを結ぶ国道1号浜名バイパスも高規格道路となるため、制限速度が80km/hとなっている。

 こちらは1978年に当時の日本道路公団による一般有料道路として開通し、2005年3月に国交省がバイパスを買い取ったことにより、無料開放された経緯があり、宇都宮北道路や鬼怒テクノ通りとは異なる。

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