■ダイハツタント「ミラクルオープンドア」
3つ目はタントのミラクルオープンドア、あるいはアイシスのパノラマオープンドアで、スライドドアに装着された機能となる。
左側のセンターピラー(天井を支えるボディ中央の柱)がスライドドアに内蔵され、左側のドアを前後ともに開くと開口幅がワイドに広がる。
タントの場合、通常のピラーを備えた右側スライドドアの開口幅は595mmだが、左側を前後ともに開くと1490mmに達する。アイシスの開口幅は右側が770mm、左側を前後ともに開くと1890mmだ。
助手席を前側にスライドさせた状態で前後のドアを開くと、ドアの開口部と後席の足元空間が広がるため、体を捩らずに乗車して後席にスムーズに座れる。高齢者などに優しく、福祉車両の性格を兼ね備えた機能ともいえるだろう。
■トヨタルーミー/ダイハツトールほか「汚れ防止シート」
4つ目はルーミー/タンク/トール/ジャスティに装着される汚れ防止のシートだ。後席を畳んで床面のボードを反転させると、床面に汚れ防止のシートが展開する。自転車を積んで床が汚れた時も、簡単に拭き取ることができる。
■ダイハツムーヴキャンパス「置きラクボックス」
5つ目はムーヴキャンバスに装着された「置きラクボックス」だ。後席の下側に引き出し式の収納設備が装着され、そこから中敷きのユーティリティボックスを立ち上げると、長さが305mm、幅が270mm、高さが130mmのバスケットになる。
買い物袋などをそこに置くと、走行中に倒れる心配がない。最近は買い物袋を引っ掛けられるフックを装着したクルマが増えたが、バッグの形状によっては使いにくい。その点で「置きラクボックス」は多用途で、後席の左右に装着されるから2つの荷物を収納できる。
「置きラクボックス」は些細な装備ともいえるが、走行中にシート上に置いた買い物袋が倒れて商品が床に散乱すると、運転の集中力が削がれてしまう。
このような時に限って、前方を走る車両が急ブレーキを掛けるなど事故を誘発する状況が発生する。その意味で「置きラクボックス」は、安全性を高める装備でもあるだろう。
さらにいえば前述のデュアルバックドアやハンズフリーオートスライドドアも、荷物の収納や乗り降りをスムーズにすることで、イライラした気分に陥るのを防いでくれる。これも安全性の向上に結び付く。
日常的に便利に使える機能や装備は、総じて安全性を高めることが多い。だからこそ数多くの車種に広めて欲しい。
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