トヨタがすごい…2022年度グローバル生産台数が過去最高1073万台でも「引き続き努力してまいります」

トヨタがすごい…2022年度グローバル生産台数が過去最高1073万台でも「引き続き努力してまいります」

 2023年4月27日、トヨタ自動車は2022年度(2022年4月~2023年3月)のグループ全体(トヨタ+レクサス+ダイハツ+日野)のグローバル販売台数(1055万8007台)とグローバル生産台数(1072万9298台)を発表、特に生産台数では過去最高を記録しました。以下、概要をお届けします。

文/ベストカーWeb編集部、写真・表/TOYOTA(アイキャッチ写真は2023年4月7日に実施された佐藤新社長による新体制方針会議の場面)

■「そ…そんな台数…本当に大丈夫か?」

 2023年4月27日にトヨタ自動車が発表した公式リリースによると、2022年度のトヨタのグローバル販売と生産は、以下のとおり。

「2022年度(4月-3月)のグローバル販売は、新型コロナウイルス感染拡大や半導体需要増などに伴う生産減の影響を受けたものの、アジアを中心とした堅調な需要などにより前年超えの実績となりました。

 2022年度(4月-3月)のグローバル生産は、新型コロナウイルス感染拡大や半導体需要増などによる部品供給不足の影響を受けたものの、北米やアジアでの能増や生産最適化、また前年の新型コロナウイルス感染拡大に伴う部品供給不足の反動等により前年超えの実績となりました。」

2022年度トヨタ販売実績
2022年度トヨタ販売実績
2022年度トヨタ生産実績
2022年度トヨタ生産実績

【グローバル販売】(前年比)
トヨタ…9,609,782台(101.0)(過去最高)
ダイハツ…803,611台(112.7)
日野…144,614 台(92.4)
合計…10,558,007台 (101.7)

【グローバル生産】(前年比)
トヨタ…9,130,247台 (106.5)(過去最高)
ダイハツ… 1,420,270台 (107.2)
日野… 178,781台 (103.4)
合計… 10,729,298 台(106.6)(過去最高)

 世界的な半導体不足を含む部品供給不安や感染症禍、資材高騰の影響を受けつつも、アジア地域を中心にトヨタ車の販売は好調に推移、トヨタの長い歴史のなかでも最大のグローバル生産台数を叩きだしたわけだ。

 トヨタ(+レクサス)単体で見ると、第3四半期(2022年10-12月)の時点では2022年度通期の生産台数見込みを(それまでの970万台→920万台からさらに引き下げて)「910万台」としていたが、3月の決算期を終えてみれば生産台数を約913万台まで積み上げて、グループ全体のグローバル生産台数は約1073万台を記録した。

 特にトヨタブランドの海外生産台数が前年同期比109.2%の634万3446台と、伸びっぷりがすさまじい。

 先日実施された佐藤恒治新社長による新体制方針説明会の資料によれば、トヨタは(特に中核車種である)ハイブリッドカーの1台あたりの販売利益率を大幅に向上させており、2022年度の決算はすごい数字が出ることが見込まれる(第3四半期決算時の通期営業利益予想は2兆4000億円)。

 上記「新体制方針説明会資料」によると、この巨額の利益を研究開発費につぎ込み、次世代技術を「マルチパスウェイ」で進めていくという。その「マルチ」の一方向であるBEVについては、「2026年までに10車種投入して年間販売台数150万台を達成する」と具体的な目標を明示。最初この台数目標を見せられた時は「そ…そんな台数…本当に大丈夫か?」と思ったが(なにしろ2022年のトヨタのBEV販売台数は年間約2万4500台だから、4年間で約60倍にする計画)、トヨタのこの「数字を積み上げる力」と高利益体質を考えると、「やりきるんだろうな…」と思える。

 そのいっぽうで、足元である日本国内の納期の長期化は、改善しつつあるもののまだまだ続いており、改善対策も全力で進めつつ「儲かった! 次世代技術もがんばる!!」と大喜びしないあたり、実にトヨタらしいな…という感想が取材陣から漏れた。

 思えば1年前、2022年春の労使交渉で、戦争や感染症の影響により部品流通が滞るなか、「4-6月は”意志ある踊り場”とする」(≒一定期間あえて減産して品質や安全管理を優先しつつ、流通や生産構造の見直し期間とする)と決断したトヨタ。その戦略が的中したかたちといえる。

 トヨタからの公式リリースは以下の文言で締められていた。

「半導体不足および新型コロナウイルス感染拡大による影響等により、先を見通すことが依然困難な状況ですが、部品供給の状況を精査し、できるだけ急減産を抑えながら1日でも早く1台でも多くお客様にお届けできるよう、引き続き努力してまいります。」

 過去最高の生産台数を実現してなおこの兜の緒の締めっぷり。ううむ…えげつない。引き続き、日本経済を引っ張っていきつつ、新技術開発や納期改善を応援したい。がんばってください。

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