2023年5月19日、ダイハツは記者会見を開き、「ダイハツ・ロッキーおよびトヨタ・ライズのHEV車のポール側面衝突試験(UN-R135)に関する認証手続きに不正がある事が判明いたしました」と発表した。ダイハツは2023年4月28日に海外向け車両において衝突安全試験に不正があったことを認めたばかり。今回の不正は、その調査のなかで発覚したとのこと。
文/ベストカーWeb編集部、画像/ダイハツ、トヨタ、国交省
■ロッキー/ライズHV合計約7万8000台で認証不正って…
先月(2023年4月28日)実施されたダイハツの認証不正発覚会見にて、記者から「今回は海外向け車両での不正だったわけだが、国内向けの車両は”ない”と言えるのか?」と質問があり、ダイハツ奥平総一郎社長は「今回、不正が見つかったのは海外向け車両の衝突安全実験の現場だったということで、これから真因と、他にないかを調査します」と回答した。
調査したところ、国内向け仕様車の実験現場でも、新たに不正が見つかった、ということになる。以下、ダイハツ工業が本日発表したプレスリリースから引用する。
「ダイハツ工業株式会社(以下、ダイハツ)は、2023年4月28日(金)に海外向け車両の側面衝突試験(UN-R95)の認証申請において不正行為があったことを公表しましたが、その後の社内での点検を行う中で、新たに、ダイハツ・ロッキーおよびトヨタ・ライズのHEV車のポール側面衝突試験(UN-R135)に関する認証手続きに不正がある事が判明いたしましたので、本日、出荷・販売を停止いたしました。
お客様をはじめとするステークホルダーの皆様には、多大なるご迷惑をおかけしておりますことを深くお詫び申し上げます。」
認証試験に不正があったとされる車種は以下のとおり。
【対象車種】(2023年5月18日時点)
ダイハツ・ロッキーHEV……22,329台
トヨタ・ライズHEV……56,111台
不正の内容である、ポール側面衝突試験(UN-R135)については以下のとおり。
本来このポール側面衝突試験(UN-R135)は、左右(運転席側と助手席側)の試験を実施する必要があり、その試験データの提出が必要になる。今回、助手席側(左)は立ち会いのもとで試験を実施し、運転席側については右側の社内試験データを提出すべきところを、左側(助手席側)のデータを提出していたとのこと。
ちょっと信じられないようなミスであり、内容的に「故意」としか考えられないが……。会見に出席したダイハツ奥平社長によると、「社内で検査した結果では、閾値(認証をクリアする値)に対して余裕のある数字だった」とのことだが、今後の対応(リコールの実施や再試験の日程等)については、現在調査確認中であり改めて報告する、とのこと。
本件についてはトヨタブランドで販売している車種も含まれており、トヨタも同日ニュースリリースを配信。「出荷・販売につきましては、今後、関係官庁にもご相談させていただきできるだけ早い再開に向けて取り組んでまいります」とのこと。
衝突安全試験は、「命を乗せて走るクルマ」の一番手前にあり一番大切にしなければいけない「現場」。実験の性質上、ユーザーは「製造メーカーがしっかり試験してくれているはず」と信じるしかない。そういう領域で不正が次々に見つかったことは、いくら反省してもし足りないということはない。トヨタグループ全体で、厳しい調査と真因の究明、効果的な再発防止策を求めます。
しっかりしてくださいよ……。頼むよ……、日本車が海外勢に比べて有利で得意なジャンルだったはずではないですか…何やってるんですか……。
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