■雪上性能ではスタッドレスタイヤと遜色なしのグリップ感
続いては雪上性能。今度は屋外でスラローム走行をするもの。当日は吹雪いたり、晴れたりの繰り返し。路面にも積雪があり雪煙を巻き上げて走るような状況だった。
このテストでは速度などの制限はないので徐々に速度域をあげてみる。まずはiceGUARD6から。50km/h程度の速度域で舵をグイっと切ってみる。
グリップがしっかりしており、クルマがグイグイっとテキパキと方向を変えていく。担当の技術ではだいたい50km/hあたりが「ヒヤヒヤしない」限界といったところ。
続くはオールシーズンタイヤBluEarth-4S。こちらは概ね40km/h前後が安心して走れるスラロームの性能だった。
もちろん左右の振り幅はスタッドレスタイヤよりも大きく、ハンドルを切ってからステアリングにグリップを感じるまでの「待ち」の時間も長い。しかし突然グリップが抜けてしまうような「ヒヤッと」はないのは嬉しい。
やはりスタッドレスタイヤの安心感の高さは特筆すべきものがあるものの、都内など非降雪地域での数センチの降雪を想像すればBluEarth-4Sの性能は充分に頼れるものだ。
また横浜ゴムが想定するBluEarth-4Sのユーザー層は大きく分けて次の2パターンということも紹介したい。
(1)首都圏など年間降雪が数日程度の地域に住むドライバー
(2)降雪地域でのサマータイヤとしての使用
前者については例えば仕事場までクルマで行って、その帰り道に降雪に見舞われた場合などを想定している。
後者についてはスタッドレスタイヤを脱いだ後のゴールデンウイーク頃に急な降雪がある北海道や、11月のスタッドレスタイヤ装着時期での急な降雪などがその想定シーンだ。
冬になれば「転ばぬ先の杖」としてスタッドレスタイヤを装着すれば安心感は充分だが、一方で非降雪地域では降雪がなければ高性能のスタッドレスタイヤを履きつぶすことになることも多い。
その代替としてオールシーズンタイヤの「BluEarth-4S」は頼もしい選択肢となりそうだ。もちろん「M+S」表示で、欧州ではスノータイヤとして法的にも認められているもの(※日本国内でも冬用タイヤ規制下の道路も通行可)。
凍結路面ではクルマに乗らないという選択ができる非降雪地域のユーザーであれば、BluEarth-4Sはきっと活路があるタイヤかと思う。
まだまだ日本ではユーザーに浸透していないオールシーズンタイヤ。メリットでもある「軽い雪道なら走れる」に否定的なユーザーが多いのも事実。
メーカー主導でオールシーズンタイヤ技術の長所/短所をもっと明確に打ち出し、スタッドレスタイヤとの区別化をする活動も今後は必要かもしれない。
また今回はBluEarth-4Sの本領発揮できるシーンとなるサマータイヤとしての走行チェックの機会がまだないが、今後またお伝えしたいと思う。
【Amazonでの実勢価格】
AmazonでのiceGUARD6とBluEarth-4Sの実勢価格は下記のとおり約300円ほどの差しかない。
降雪地帯での使用を考えるとスタッドレスタイヤは外せないのに対し、非降雪地域では年間を通じて使えるBluEarth-4Sのマルチな性能も魅力的。カーライフに合わせて選びたい。
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