スマホのナビアプリが普及しつつあるなか、やはりオーディオ機能とルート案内のため、新車を買う際にカーナビを付けるユーザーも多い。そんな必需品でもあるカーナビ事情が、いま急変している。
カーナビの爆発的な普及後、つい最近まで主流だったのは「DIN」と呼ばれる規格品だった。多くの車はDIN規格のナビが付けられるようデザインされ、ユーザーはさまざまなメーカー・価格のカーナビを自由に選択することができた。
ところが最近では、この規格に収まらない独自の純正ナビ、即ち“替えられないカーナビ”を採用する車が急増している。マツダ車の「マツダコネクト」を筆頭に、直近では新型クラウンにも独自のナビシステムが採用された。
普及が進む独自の純正ナビ、ユーザーにとってのメリット、デメリットは?
文:永田恵一/写真:編集部
独自の純正ナビは国産・輸入問わず増加
カーナビを選ぶ際には【1】標準装備やメーカーオプションといった純正品、【2】ディーラーオプション、【3】カー用品などで購入する市販品という3つから考えることがほとんど。
この中でここ数年DINサイズの規格品には代替できない【1】の純正品(以下純正カーナビ)が増加傾向である。
では、純正カーナビがどのくらい増えているか、具体的な採用例は以下のとおりだ。
■日本車
・トヨタ/クラウン、センチュリー
・レクサス全般
・日産/リーフ、GT-R、フェアレディZ、スカイライン、フーガ、シーマ
・ホンダ/アコード、クラリティ、レジェンド、NSX
・マツダ全般(マツダコネクト)
・三菱/エクリプスクロス(スマートフォン連携ディスプレイオーディオ)
一方、輸入車では、DIN規格のナビに対応しているのはルノーの一部、アルファロメオ ミト、ジュリエッタといった一部車種に限られる。
VW UP!のようにナビはスマートフォンで対応というモデルもあり、大部分が純正カーナビという具合だ。
傾向としては日本車ではマツダと400万円を超える高額車、輸入車は全般的に純正カーナビとなっており、以前はVWやポルシェなどが規格ナビを付けられたのを考えると、やはり純正カーナビは増加傾向といえる。
最初は使いづらかった!! マツダにみる独自ナビの発展
純正カーナビは、日本車では一部を除き歴史のあるものだけに、ほとんどの場合完成度も高いが、輸入車をはじめまだ途上段階に感じるもの多い。
そのなかから日本車では歴史が浅く、現在はほぼ完成されているが、途上段階を経たマツダ コネクトの進化を紹介しよう。
2013年登場の現行アクセラから導入されたマツダコネクトは、車の機能設定も兼ねるモニターが標準装備となるため、当時3万円台だったSDカードに入った地図データをインストールすればカーナビとして使える点も売りであった。
しかし、筆者は初期の現行アクセラと同等の機能だったマツダコネクト付きの現行デミオに乗っていたが、以下のような欠点もあった。
・地図の画面が暗く見にくく、ガソリンスタンドなどの施設の位置も実際とは左右逆なことがあるなど不正確
・妙なルート案内をすることがある
・推奨ルート以外のルートを選ぶには何段階か必要など、全体的に操作性が劣悪
・音声案内の音声が早口のような感じで聞き取りにくい
このように、悪いところを挙げればキリがなく、「これではカーナビが原因でデミオやアクセラの購入を見送る人がいても仕方がない」と思うほどであった。
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