■氷上性能を重視するならセブン、圧雪路重視ならSUV
2024年2月に北海道で行われた試乗会では、車種やコース設定を変えてアイスガードの性能が確認できた。
まずは平たんな雪上路で低偏平サイズのアイスガードセブンを試す。アイスガードセブンは幅広いサイズバリエーションをそろえるが、実は幅235以上のモデルはセンターリブが1本追加され、ブロック剛性が最適化されている。
そんな工夫もあって、フロント255/40R19、リア275/35R19というサイズを履くフェアレディZは雪上でもスポーツカーそのもの。制動時やターンイン時の動きもリニアで……と書きたいところだが、雪のFRは楽しすぎる。我を忘れてテールが流れるのを楽しんでしまった。
気を引き締め直して屋内の氷盤試験場へ。ここではアイスガードセブンとG075の氷上性能が比較できた。クルマはどちらもRAV4で、タイヤサイズは225/65R17だ。
複数回走ったが、ブレーキではおよそ1m弱アイスガードセブンのほうが短く停まれる。定常円旋回時もアイスガードセブンのほうがアンダーが出にくく、タイヤ1本分くらい内側がトレースできる感覚だ。とはいえ乗り比べなければG075も十分優秀、無茶しなければヒヤっとすることなどまるでない。
それにしても、RAV4ではアイスガードセブンもG075も選べるわけだが、こういう場合はどっちを選ぶのがいいのだろう。
ヨコハマタイヤのスタッフに尋ねてみると、「氷上性能を重視するならセブン、圧雪路重視ならG075をオススメする」とのこと。G075は価格面でも若干安いから、コスパを考える上でもG075はいいチョイスだろう。
■スタッドレスは在庫が豊富な秋に決断するべし!
後半は重量級の電動SUVとアイスガードセブンの相性を試してみた。クルマはBMWのiX1。1.9トン近いヘビー級だが、ボディが同じでほぼ150kg軽い2LディーゼルのX1と乗り比べてみた。どちらも4WDでタイヤサイズは245/45R19。
結論からいえばぜんぜんOK。重いからと言ってタイヤが腰砕けすることもないし、ターンインがもっさりする印象もない。EVは発進時のトルク変動も大きいが食い付きが負けるようなこともなく、iX1のキビキビ感がいい感じで残されていた。
最後にパワフルなSUVにも乗ってみた。265psのポルシェ・マカンだ。
アイスガードセブンのサイズはフロントが235/60R18でリアが255/55R18。4WDということもあってこいつがまた痛快だった。スラロームでは結構な横Gが出るのだが、アイスガードセブンはブロックがしっかりしていてヨレる感じがしない。
定常円への進入部分にはミラーバーンがあり、自分の腕ではアンダーが出てしまうのだが、滑り出しがよく分かって怖くない。アクセルを戻した際のグリップの復帰も自然で、挙動が乱れずに走りやすさを感じた。
というわけで、最新スタッドレス「アイスガードセブン」と「アイスガードSUV G075」の威力をまざまざと思い知った1日だった。
今年、スタッドレスタイヤを買い換えなきゃという人は秋口がいい。サイズの在庫も豊富だし、ショップの交換作業も空いているからだ。そしてヨコハマのアイスガードは、コンパクトカーからSUV、ミニバン、EVに至るまで、あらゆるタイプのクルマに効く、オススメのスタッドレスタイヤだといえる。
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